ロジャー・ミラー「ディア・ハート」が彩る 『メイデン』予告編&ポスタービジュアル公開

 4月19日に公開される映画『メイデン』の予告編とポスタービジュアル、場面写真が公開された。

 本作は、カナダ・カルガリー郊外を舞台に、思春期の少年少女3人の友情と孤独、喪失の悲しみを描いた青春映画。ひと夏の出来事を16ミリフィルムの質感を活かした映像美で紡ぎ上げた。

 監督を務めたのは、本作が初の長編作品となったグラハム・フォイ。1987年生まれのグラハム・フォイ。自身が育ったカナダ西部のアルバータ州カルガリーで撮影を行った本作で、第79回ヴェネチア国際映画祭のヴェニス・デイズ部門“未来の映画賞”を受賞。第75回カンヌ国際映画祭の批評家週間「Next Step」のプログラムにも招待されている。

 撮影監督は、フォイ監督と共に様々なミュージックビデオや短編にも携わってきたケリー・ジェフリーが担当。映画は2つのパートで構成され、前半では気が置けない親友同士であるカイルとコルトンのひと夏の日常が、詩的な美しさに満ちたショットで点描される。すると中盤のある重大な悲劇がターニングポイントとなって、後半はもう1人の主人公ホイットニーの視点に切り替わり、静寂に包まれた森や草原を舞台にした幻想的なストーリーが繰り広げられる。

 カイルとコルトンは、カルガリーの郊外に住む高校生。親友同士の2人は住宅地をスケートボードで駆け抜けたり、渓谷で水遊びに興じたりと、気の向くままに日々を過ごしている。夏休みが終わりに近づいたある夜、立入禁止区域の鉄道の線路に 侵入したカイルに惨たらしい出来事が降りかかる。新学期が始まってもその事実を受 けとめきれないコルトンは、深い喪失感に打ちひしがれながら、かつてカイルと一緒に戯れた渓谷に足を向けるようになる。その頃、同じ高校に通う少女ホイットニーが行方不明になり、くしくもコルトンが渓谷の岩場で拾ったホイットニーの日記帳には、学校での人間関係に悩む彼女の切実な心情が綴られていた。はたしてホイットニーの身に何が起こり、彼女はどこへ消えたのか。孤立したコルトンは、どうすれば心の空洞を埋めることができるのか。そして、 孤独な彼らの魂の行く末とは……。

 主役のジャクソン・スルイター、マルセル・T・ヒメネス、ヘイリー・ネスの3人は、いずれもオーディションで見出され、本作が映画デビュー作となった。

映画『メイデン』予告

 ヘンリー・マンシーニ作曲、ロジャー・ミラーが歌うラブソング「ディア・ハート」が流れる予告編では、レトロなカセットテープレコーダー、渓谷に置き捨てられた一冊の日記帳、川に葬られた黒猫など、ミステリアスなアイテムやエピソードの数々がちりばめられている。

 深い青色が印象的に使用されたポスタービジュアルでは、別々の方向を向く少年と少女の姿が描かれており、場面写真では、カイルとコルトンのひと夏の日常や森の中で佇む少女ホイットニーの様子が切り取られている。

■公開情報
『メイデン』
4月19日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開
出演:ジャクソン・スルイター、マルセル・T・ヒメネス、ヘイリー・ネス、カレブ・ブラウ、シエナ・イー
監督・脚本:グラハム・フォイ
撮影:ケリー・ジェフリー
編集:ブレンダン・ミルズ
美術:エリカ・ロブコ
録音:イアン・レイノルズ
プロデューサー:ダイヴァ・ザルニエリウナ、ダン・モントゴメール
配給:クレプスキュール フィルム
2022年/カナダ/英語/カラー/16mm/ヴィスタ/117分/原題:The Maiden/日本語字幕:上條葉月
©2022 FF Films and Medium Density Fibreboard Films.

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