『おむすび』北村有起哉の名演が物語っていた“父”への思い 永吉が遺した人助けの精神
『おむすび』(NHK総合)第20週のタイトルは「米田家の呪い」。花(宮崎莉里沙)ですら、疑問に思う人助けの精神が「なぜ“呪い”なのか」が焦点の一つにあり、永吉(松平健)自身は“教え”としているが、佳代(宮崎美子)にとっては“呪い”、なのが答えではないだろうか。
そこには、1976年に岐阜の水害に遭った小松原良介(大鶴義丹)を助けるため、聖人(北村有起哉)の大学費の100万円を貸してしまったという過去がある。戒めとしての呪い、と言ってしまえば簡単だが、実際に岐阜で当時起こった「9.12水害」を調べると「岐阜県史上最悪の水害」とあり、現地にいた永吉はそうするしかなかったのでは、とも思えてくる。
2月28日放送の第105話では、亡くなった永吉の通夜が糸島で営まれる。陽太(菅生新樹)や恵美(中村守里)といった懐かしい地元の面々のほか、『紅白』で歌った糸島出身の演歌歌手・山内惠介、ループシュートを教えたラモス瑠偉が姿を現し、永吉が生前に話していたホラ話が現実味を帯びてくる中、深夜1時、会場を訪ねて来たのは、小松原の息子・弘樹(大鶴義丹)だった。
ラモス瑠偉&山内惠介、『おむすび』にまさかの登場 永吉の裏設定を制作陣に聞く
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする…父の良介は洪水の半年後に過労で亡くなり、意識不明だった弘樹が回復し、親戚に引き取られ何も知らずに育てられてきたという。今になって、永吉宛の借用書が出てきたことで、お金を返しに来たという。茶封筒を差し出す弘樹に、聖人は「ご家族のために使ってください」とつき返す。「これね、僕がもらうと、『こら! 聖人貴様、何しよっとか!』って、親父が棺おけから……出てきてしまいます」と話す聖人の表情には笑顔と涙が浮かんでいる。