『クジャクのダンス』成田凌の芝居に胸を掴まれる 遠藤力郎・友哉親子は冤罪が濃厚?

 また、第2話では友哉と心麦(広瀬すず)が月の光に手を伸ばすシーンが印象的だ。大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)の例があるように、男女が同時に月を見上げているというシチュエーションは、恋愛模様を描写していることがほとんどであるが、友哉と心麦に共通しているのは父への信頼、信じ抜くという思い。その希望の光を月に重ねているのは、『クジャクのダンス』がヒューマンドラマであり、サスペンスドラマでもあることの表れだろう。

 一方で、“ムッチ神井”こと、記者の神井(磯村勇斗)は、ギラギラとした欲望、ネチネチとした執念が増している。それは地獄に落ちてでも真実を知りたいという追求心。第1話のラストで神井は心麦に「あなた、山下さんの本当の娘じゃないですよね?」と告げた。その根拠は父親と似ていないこと、そして記者としての勘。それを証明するため神井は、春生の姉で心麦の伯母にあたる木村夏美(原日出子)との「私的DNA型叔母姪鑑定書」を持ってきたのだ。

 鑑定結果には、「叔母である可能性は極めて低い」と記載されている。動揺する心麦に追い討ちをかけるようにして、神井は心麦が22年前に起こった「東賀山事件」で生き残った次女・林川歌なのではないか、と推理するのだった。

 次回、焦点となるのは父の遺した手紙は偽装なのかということ。となれば、春生から手紙を預かり、心麦に手渡した屋台ラーメン店の店主・染田(酒井敏也)が怪しくなってくるが、果たして。

金曜ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」

「このマンガがすごい!2024」にもランクインした浅見理都の同名漫画を実写化するヒューマンクライムサスペンス。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫っていく。

■放送情報
金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:広瀬すず、松山ケンイチ、森崎ウィン、瀧内公美、絃瀬聡一、野村康太、清乃あさ姫、斉藤優(パラシュート部隊)、酒井敏也、酒向芳、藤本隆宏、西田尚美、仙道敦子、原日出子、リリー・フランキー、磯村勇斗
原作:浅見理都『クジャクのダンス、誰が見た?』(講談社『Kiss』所載)
脚本:金沢知樹
プロデュース:中島啓介、内川祐紀、丸山いづみ
演出:田中健太、青山貴洋、福田亮介、棚澤孝義
主題歌:Ado「エルフ」(ユニバーサル ミュージック)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS

関連記事