山下智久らによる裏話も! 『ブルーモーメント』メイキング映像から伝わるチームの一体感

 『ブルーモーメント』(フジテレビ系)のBlu-ray&DVD-BOXが12月25日に発売された。世界でも有数の自然災害多発国である日本。2024年4月から6月にかけて放送された本作は、甚大な災害から人命を守るため、気象予報を軸に現場の最前線で命がけの任務にあたるSDM(Special Disaster Management headquarters:特別災害対策本部)メンバーの奮闘を描く。

 いつも通りの朝を迎える。そんなあたりまえの“奇跡”を願ってーー。

 主人公は気象庁気象研究所の研究官、晴原柑九朗(山下智久)。SDM気象班の統括責任者にして数学の天才だ。「すべての気象は数学で読み解くことができる」が信条で、膨大なデータから天候の変化を言い当てる。柑九朗の助手で本作のヒロイン的存在が雲田彩(出口夏希)。柑九朗と彩は、災害によって心に傷を負っていた。

 内閣府直属の特別組織であるSDMには各省庁の精鋭が集結する。水上恒司演じる園部優吾は東京消防庁・消防救助機動部隊所属のレスキュー隊員で、SDM消防班の統括責任者に任命される。優吾はいとこの灯(本田翼)を5年前の集中豪雨で失っており、灯の婚約者だった柑九朗に強い感情を抱いている。この他に、医療班の汐見早霧を演じる夏帆や仁村紗和、橋本じゅん、岡部大らが名を連ねた。

 ドラマでは、主に第5話までの前半戦で、SDMに最強のメンバーがそろうチームビルディングの過程を描いた。それぞれが葛藤を抱えながら、災害から命を救おうと奮闘する中でチームの絆が深まった。後半で描かれたのは未曽有の災害。自然災害は別の面から見ると人災である。政治的なあつれきや利害対立に巻き込まれ、仲間を失う悲劇に直面してSDMは活動を停止する。しかし、一度築かれた絆は壊れなかった。ふたたび立ち上がった柑九朗たちは、史上最強の台風に立ち向かう。

 時々刻々、移り変わる天候を映した映像のクオリティに圧倒された。タイトルの「ブルーモーメント」は、日の出前と日没後のわずかな間に見られる大気光学現象を指す。街全体が濃い青色に染まる時間は、嵐の夜を越えて朝を迎えた喜びを表している。人智を超えた自然の力を表現するために制作スタッフは知恵を絞った。映像特典に収録された2時間のメイキングは、ドラマ撮影の密着ドキュメンタリーだ。

 第1・2話の雪崩の救助シーンは厳冬期の雪山で行われた。SDMの指揮車両を持ち込み、実際の雪崩を細部まで忠実に再現した。水上たち消防班の俳優が、雪の中で撮影に挑む様子が映像に収められている。集中豪雨の撮影では大型の散水機を使い、エキストラも加わって入念なリハーサルを重ねた。第9・10話は風雨にさらされる体当たりの撮影となり、ワイヤーアクションを駆使して自然災害の猛威をカメラにとらえた。

関連記事