2024年の年間ベスト企画

藤原奈緒の「2024年 年間ベストドラマTOP10」 テレビドラマは自分を映す鏡のようなもの

 『不適切にもほどがある!』だけでなく『新宿野戦病院』(フジテレビ系)、『終りに見た街』(山田太一原作/テレビ朝日系)と、宮藤官九郎が立て続けに描いた現代の姿。すべてをベストに挙げたい気持ちを抑えて、今年を象徴する俳優とも言える河合優実演じる純子を中心に、令和と昭和を俯瞰して描きつつ、避けられない震災と死と主人公が対峙する姿を描いた『不適切にもほどがある!』を特筆すべき作品として挙げる。野木亜紀子脚本『海に眠るダイヤモンド』は、長崎県・端島を舞台に高度経済成長期と現代を繋ぐ壮大な枠組みの中で、個性の異なる恋がキラキラと輝くなんとも切ない構造になっている。

『不適切にもほどがある!』“終わらない”最終回の愛おしさ 連ドラだから許される奇跡

「いつか終わる。ドラマも人生も。だからそのギリギリ手前までとっ散らかっていいんじゃないかね。最終回が決まってないなんてさ、最高じ…

 『西園寺さんは家事をしない』は、かわいくて少し風変わりな登場人物全員が揃いも揃って楽しそうなのでこちらまで嬉しくなってしまうドラマというだけでなく、新しいホームドラマとしてたくさんのポジティブなアイデアをくれた。血の繋がりはなくても「ニセ家族」になって支え合えばいいと言う『西園寺さんは家事をしない』と、同時期に放送された生方美久脚本『海のはじまり』における、それぞれが「選べなかったつながり」のその先を優しく持ち寄って生きていく最終話の姿は、どちらも自由で、これからの私たちの日々を照らしていた。

■リリース情報
『アンメット ある脳外科医の日記』
Blu-ray&DVD-BOX発売中

Blu-ray BOX:31,900円(税込)
DVD-BOX :25,850円(税込)

【収録話数】
全11話(一部ディレクターズカット版あり)
【特典】
■映像特典
・メイキング集
・杉咲×若葉×岡山×千葉 座談会
・尾崎匠海のセットツアー&インタビュー
■封入特典
・ブックレット
※商品の仕様は変更になる場合あり

出演:杉咲花、若葉竜也、岡山天音、生田絵梨花、山谷花純、尾崎匠海(INI)、中村里帆、安井順平、野呂佳代、千葉雄大、阿南敦子、小市慢太郎、酒向芳、吉瀬美智子、井浦新
原作:子鹿ゆずる(原作)・大槻閑人(漫画)『アンメット-ある脳外科医の日記-』(講談社「モーニング」連載)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:fox capture plan
主題歌︓あいみょん「会いに行くのに」(unBORDE/Warner Music Japan)
オープニング曲:上野大樹「縫い目」(cutting edge)
演出:Yuki Saito、本橋圭太、日髙貴士
プロデューサー:米田孝、本郷達也
制作協力:MMJ
制作著作:カンテレ
発売元:カンテレ
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
©子鹿ゆずる・大槻閑人/講談社/カンテレ

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