『マイダイアリー』優希が広海との別れを決意 “楓”影山優佳がミステリアスさを見事に表現

 学生時代は、約束をしなくても学校に行けば友達に会うことができた。でも、大人になると会うための“口実”が必要になってくる。「帰省するから、会わない?」とか、「〇〇に子どもが産まれたから、集まろう!」とか。

 卒業するときにした「月に1回は、みんなで集まろうね」なんていう約束も、当たり前のように叶えられるものだと思っていたけれど、優希(清原果耶)が言うように、子どものときにした約束は、子どものときにした約束でしかなくなってしまっていた。友達との距離ができたことで、「わたしたちは、どこでバラバラになってしまったんだろう」と切なくなった経験がある人も、なかにはいるのではないだろうか。

 『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第8話は、大学を卒業した優希が教師になり、“人生5度目の1年生”として奮闘していく姿が描かれた。同級生のまひる(吉川愛)と愛莉(見上愛)、そして虎之介(望月歩)の3人も社会人に。大学院に進んだ広海(佐野勇斗)以外は、“子どもでいられる最後の日”を終えて、少しずつ大人になっていった。

 よく、「環境が変われば、関わる友達も変わる」と言う人がいる。たしかに、学生と社会人だと話が合わないし、愚痴をこぼすのなら、まったく違う職業に就いた友達よりも、近しい業界にいる友達の方がいいなと思うこともある。実際に、『マイダイアリー』の優希も、同業者のまひるとは頻繁に会ってそうな雰囲気を醸し出していたが、地方で暮らす愛莉や、他業種に就いた虎之介とは疎遠になっていた。

 しかし、そのまま疎遠になってしまうか、それとも友人関係を継続できるのかは、どれだけ“口実”を作れるかにかかってくる。ムードメーカーの虎之介が、「5人で集まれる口実がほしい!」とストレートに言ってくれたからこそ、5人は卒業後も変わらず、それぞれの“心のふるさと”でい続けることができたのだろう。

 ただ、恋愛は友情よりも継続するのが難しい。友達は、少し距離ができたとしても、会えば一瞬で“あの頃”に戻る……なんてことが多々あるが、恋愛はそうはいかない。会わない間に、心の距離が広がってしまうことの方が多い。だから、広海はアメリカの大学からオファーが来たことを隠してしまったのだろう。優希に伝えたら、「行った方がいいよ」と背中を押されるに違いないと思ったから。

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