『ゴールデンカムイ』続編映画は網走監獄編が舞台に? “三つ巴の戦い”の実写化に期待大
WOWOWドラマ『ゴールデンカムイ』最終話放送後に、ドラマシリーズ版の続編となる映画第2弾の製作が発表された。
映画『ゴールデンカムイ』は、シリーズ累計発行部数2,900万部(2024年7月時点)を突破する、野田サトルによるベストセラー漫画を実写化したアクション。明治末期、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリーと、厳しい大自然の中で、一癖も二癖もあるキャラクターたちによって繰り広げられるサバイバルバトルが描かれた。
2024年1月19日に公開された実写映画第1弾では、杉元佐一(山﨑賢人)やアシリパ(山田杏奈)、白石由竹(矢本悠馬)3名のパーティが正式に結成される過程、WOWOWドラマ版の最終話では、鶴見中尉(玉木宏)の忠臣・鯉登少尉(中川大志)が登場し、物語が緊迫した局面へと進んでいく様子が描かれた。そして、映画第2弾の製作発表を受け、原作ファンからは「網走監獄編」の実写化に対する期待が多く寄せられている。
映画ライターの杉本穂高氏は、「網走監獄編」の実写化について、「三つ巴の戦いや軍艦を用いた戦闘シーンなど、よりスケールを増すアクションシーンにどれだけリアリティを与えられるかが重要になる」と語る。
「クライマックスの1つである網走監獄編は、杉元と鶴見中尉、土方の三つ巴の戦いが展開され、騙し騙されつつ、のっぺら坊に迫っていくまでが大きなスケールで描かれているので、原作ファンとしては実写でどのように一連の展開が表現されるのか、一番観たいですよね。ほかにも、囚人と鶴見中尉率いる第七師団との乱戦や軍艦を用いたアクションシーンなど、今まで以上の予算がかかるのは間違いないかと」
「実写版『ゴールデンカムイ』が人気を集める理由は、本物志向なところにある」と語る杉本氏はこう続けた。
「制作プロダクションのクレデウスは『ゴールデンカムイ』以外にも、『キングダム』、『沈黙の艦隊』といったアクション大作を数多く手がけてきました。まず、映画第1弾も冬の北海道でロケをしていたことが大きな効果を上げています。真冬の川に杉元と白石が落ちて凍死しそうになるシーンがありましたが、本当に寒そうで、この寒さのリアルはマンガやアニメでは表現しきれないでしょうから、実写で生身の人間がやることの意義を体現していたと思います。安易にコミック調にするのではなく、生身の人間がやって面白い演出はなんだろうというのが、ちゃんと考えられているんです。『キングダム』にも通じますが、生身の人間と人間のぶつかり合いこそ、アニメやマンガにできない実写ならではの面白さであって、それを追求してきたクレデウスは、本作の実写化にふさわしいと思います」
また、原作ファンに人気のキャラクターやエピソードが描かれるのかも気になるところだが、杉本氏は「尺的に映画には詰め込めないのでは」と語る。
「原作ファン的にはネットで話題になるようなクセものキャラをどこまで出すのかというのも気になります。姉畑支遁はテレビアニメでもカットされていましたが、あまり違和感なく構成できていましたので、実写の劇場版においてもカットされるかもしれません。稲妻強盗のエピソードも素晴らしいですが、杉元たちが活躍しないので、一本の映画に入れるのは難しいかもしれないです。網走監獄編は様々な伏線がここにきてここでいろいろ明らかにされて、裏切り者がいたりと、人間ドラマ的にも魅力的なので、これをじっくりと描くためにはカットされるエピソードもあるのも仕方ないと思います」