甫木元空監督『BAUS 映画から船出した映画館』主演は染谷将太 共演に峯田和伸&夏帆

 甫木元空監督最新作『BAUS 映画から船出した映画館』のメインキャストが発表され、主演に染谷将太、共演に銀杏BOYZの峯田和伸と夏帆が決定した。

 映画上映だけに留まらず、演劇、音楽、落語……「おもしろいことはなんでもやる」という無謀なコンセプトを掲げ、30年の歴史を築いた吉祥寺バウスシアター。2014年の閉館から遡ること約90年、1925年に吉祥寺に初めての映画館「井の頭会館」がつくられ、1951年には、バウスシアターの前身となる「ムサシノ映画劇場」が誕生。本作は、2014年に幕を下ろした吉祥寺バウスシアターをめぐる歴史と、映画館を立ち上げ、支えた家族たちの物語。

 監督を務めるのは、『はるねこ』『はだかのゆめ』の甫木元。近年ではバンド・Bialystocksのボーカルとしても活動の幅を広げている。脚本は、『吉祥寺バウスシアター 映画から船出した映画館』(boid刊)と『吉祥寺に育てられた映画館 イノカン・MEG・バウス 吉祥寺っ子映画館三代記』(本田拓夫著/文藝春秋企画出版部発行・文藝春秋発売)を原作に、故・青山真治さんが着々と温めていた内容を、2022年3月の逝去を機に甫木元が引き継ぐ形で執筆した。そして劇中の音楽は、吉祥寺バウスシアターや青山さんとも縁深い大友良英が担当する。

 兄と思いつきで青森県から上京し、成り行きで吉祥寺にできた初の映画館“井の頭会館”に 勤めることになるサネオ役で主演を務めるのは染谷。そしてサネオの兄・ハジメ役を銀杏BOYZの峯田、井の頭会館で手伝いとして働くうちにサネオと出会い、のちに妻となるハマ役を夏帆が演じる。ハジメは活弁士として奮闘しながら、常に突拍子もないアイデアを持ち込み、サネオはそんな兄を堅実にサポートしながら、ある日突然劇場の社長に任命され、さらなる発展を目指し始める。そしてハマは2人をそっと見守りながら、持ち前の芯の強さで家族を支えていく。

 あわせて公開されたティザービジュアルには、映画館の舞台に腰をかけるサネオ(染谷将太)が捉えられており、そばにある大きなスピーカーが吉祥寺バウスシアターを彷彿とさせる。そして「『あした』は暗闇から始まる」というコピーが添えられている。

映画『BAUS 映画から船出した映画館』特報映像

 さらに特報映像も公開。井の頭会館に目を輝かせるサネオとハジメ(峯田和伸)から始まり、懸命に活弁をするハジメや入り口で客を呼び込むサネオなど、映画館を中心に忙しない日々を送る様子が収められている。

 なお、本作の公開日は2025年3月21日に決定した。

コメント

染谷将太(サネオ役)

バウスシアターは私にとって青春の場所でした。いつも映画をみに行くと誰か友人がいて、語り合う、爆音映画祭に皆で集まり、心踊る。忘れられない劇場です。
そして敬愛なる青山真治さんの最後の本がバウスの映画だったという、この事実に脳天を殴られたような衝撃を喰らいました。プロデューサーの樋口さんが私に言うのです「青山の呪いに乗っからないか?」と。私にとっては最高な呪いでした。呪いにかかったその先に待ってくれていたのは甫木元空氏。最高な男なんです。最高な男の元に集まるスタッフと共演者の方々は勿論最高で、現場はまるで夢の中に飛び込んでいるようでした。その夢の時間を甫木元監督の寛大な心で全て包み込んでくれ、魂に火を灯してくれ、最高な映画を生み出してくださいました。映画が好きな方も、そうでない方も、いつかの記憶の旅をしに、劇場まで来てくださったら幸いです。

峯田和伸(ハジメ役)

僕は吉祥寺バウスシアターで色んな映画を観ました。あの時、もしかしたら暗闇の空間で、僕も映画に見られていたかもしれない。映画は僕に歌い、映画は僕と踊った。バウスは生き物で、その時代その時代を生き抜いた。貧しさと寝て、戦争に食べられそうになり、吉祥寺という町で沢山のひとに愛された。この映画は、まさしくバウスがその長い人生を尽くす際にみた最後の夢。メリーゴーランドのような走馬灯。ぜひ体験してみてください。

夏帆(ハマ役)

約90年にわたる長い物語、だれかの記憶の断片のなかで生きているような、なんとも不思議な感覚になったのを覚えています。
なくなってしまった何かに思いを馳せながら、淡々と穏やかに進んでいく撮影現場は、たくさんの映画愛で溢れていて、きっとそれが本編にも滲み出ているのではないかと思います。ぜひ公開を楽しみにしていただけたらうれしいです。

甫木元空(監督)

人と人とが暗闇の中で同じ光を見つめる。世界中どんな街にも存在する映画館という場で生きた何気ない家族の物語です。映画館が生まれ、大きくなり、そしてなくなるまでの物語。この普通で争っているのか睦み合っているのかわからない、けれどもそこにかすかな自由と幸福を見つけようと懸命に生きた、無数の(無名の)人々の思いがささやかな一本の映画になりました。たった一歩でも生きてる者と死んでる者とが前に進むために、喪失から生み出される死者を光でつなぎ止めて認識する。心から尊敬するキャスト・スタッフと共に、まるでこの物語を友人に紹介するように映画が作れた事がとても嬉しいです。

■公開情報
『BAUS 映画から船出した映画館』
2025年3月21日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー
出演:染谷将太、峯田和伸、夏帆
監督:甫木元空
脚本:青山真治、甫木元空
原作:『吉祥寺バウスシアター 映画から船出した映画館』(boid刊)、『吉祥寺に育てられた映画館 イノカン・MEG・バウス 吉祥寺っ子映画館三代記』(本田拓夫著/文藝春秋企画出版部発行・文藝春秋発売)
企画・製作:本田プロモーション、BAUS、boid
制作プロダクション:コギトワークス
エグゼクティブプロデューサー:本田拓夫
プロデューサー:樋口泰人、仙頭武則、関友彦、鈴木徳至
企画協力:とよた真帆
配給:boid、コピアポア・フィルム
©本田プロモーション BAUS/boid
公式X(旧Twitter):@BAUS_movie

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