『若草物語』ついに登場した“衿”長濱ねるの現在の姿に驚き 涼にとっても大きな転換点に

 そうした中、衿の行方を必死に追う涼は、クローゼットの中から意外な発見をする。そこには「代表取締役」「CEO」といった肩書きの重役たちの名刺が大量に収められていた。真相を知りたいという思いは強いものの、次々と明らかになる不可解な事実に、かつて心を通わせ合っていた妹の姿が遠ざかっていくような感覚に襲われる。実は衿は、涼からの連絡を完全にブロックしていた。

 律(一ノ瀬颯)の電話で涼は再び衿にコンタクトを取ろうとするも、繋がった電話の向こうに衿の声はない。代わりに遠くから聞こえてくるのは、見知らぬ土地の漁村のアナウンス。その微かな手がかりを頼りに、涼と律は衿のもとへと向かう。

「衿? 涼です。お姉ちゃんだよ どこにいるの? 私 何かしたのかな? とにかく会って話がしたい。お願い出てきて」

 村役場に依頼したアナウンスに、涼は必死の思いを込めて呼びかける。長女・恵からの「追われれば追われるほど逃げたくなるもんだよ」という言葉も、今の涼には響かない。唯一の理解者であった妹との絆を取り戻したい一心で、涼の心は前へと突き動かされていくのだった。

 今回、二人の子供を持つ母親として現れた衿の姿は、本作のターニングポイントと言っても過言ではない。衿の心の中には、きっと涼には言えない恋愛への憧れや、自分らしい人生を歩みたいという願いが秘められていたのだろう。第8話の予告で、衿が感情を爆発させていた姿からも、これまでの衿は、涼の前で“理想の妹”を演じていたとも考えられる。しかし、それは決して打算的な悪意のあるものではなく、大切な姉の気持ちを思いやってのことだったはずだ。

 第6話まででは、涼の反恋愛至上主義的な態度が、むしろ彼女の脚本家としての可能性を広げるきっかけとして描かれてきた。しかし今、最も近しい存在だと信じていた妹との間に横たわる深い溝を前に、涼の価値観や生き方もまた、大きな転換点を迎えることになるのかもしれない。

■放送情報
日曜ドラマ『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:堀田真由、仁村紗和、畑芽育、長濱ねる、一ノ瀬颯、深田竜生、生瀬勝久、臼田あさ美、渡辺大知、坂井真紀、筒井真理子ほか
原案:ルイーザ・メイ・オルコット『若草物語』
脚本:松島瑠璃子
音楽:はらかなこ
演出:猪股隆一、瀬野尾一
プロデューサー:森有紗、松山雅則
協力プロデューサー:河野英裕
チーフプロデューサー:松本京子
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/wakakusa/

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