竜星涼×八木莉可子『潜入兄妹』信濃の正体と今後の展開は? 四神の関係から考察

 竜星涼と八木莉可子がW主演を務める日本テレビ系連続ドラマ『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』は第7話が終わり、九頭竜の目的が幻獣全員の命と判明し、詐欺集団「幻獣」VS詐欺集団を率いる「九頭龍」という物語の全貌が見えてきた。新キャラ・信濃の登場も踏まえ、幻獣や兄妹とどんな関係になりそうなのか、今後の展望について考察してみたい。

 前回第7話では、父の仇を討つために「幻獣」に潜入している貴一(竜星涼)と優貴(八木莉可子)の円山兄妹が内通者の正体を暴く任務に挑んだ。ハコの一人であるなお美(呉城久美)が“信濃”と名乗る女に重病を患う娘のことで脅され、幻獣内の情報を九頭龍に流していたことを追求し、その中で九頭竜の目的が幻獣全員の命だということも判明。他にも、5年前に幻獣に潜入捜査をしていた円山兄妹の父・渡良瀬貴司(半田周平)が九頭竜の情報まで辿り着いていたこと、そして内通者を見つけたことにより円山兄妹の潜入目的である幻獣の幹部として迎え入れられるなど、物語のターニングポイントなる回となった。

 現在は幻獣VS九頭龍という構図が物語の焦点だが、九頭龍(川瀬陽太)は元々、6年前の2018年に、鳳凰(藤ヶ谷太輔)、青龍(桐山漣)、朱雀/雲出茜(白石聖)、白虎(黒谷友香)、玄武/六角大吾(吹越満)の5人を招集し神の名前を与え幻獣を作った男。しかし現在、幻獣の目的は敵対する組織の九頭龍に復讐すること。また九頭龍側の目的も幻獣の壊滅。どういった経緯でかつてボスの九頭竜が鳳凰たちと対立しているのかは明かされていないが、第6話では過去のいきさつを示唆するようなシーンが描かれていた。鳳凰が遺骨が入っている箱の前で神妙な顔つきになり、「あの日のことを覚えていますか」と幹部たちに切り出し、そして回想シーンでは九頭龍が幹部たちを集め「家族になろう」と言って酒を酌み交わし微笑んでいた。おそらく骨壷は初代九頭龍の骨で既に亡くなっていると考えられる。それを許せない幻獣という対立の構図だろう。

 貴司のメモには「最初に九頭竜の話を聞いたのは潜入したハコのボスからだった」「ボスの仕切るハコは4つありそのうち3つは九頭龍に関係していたため難しいと語っていた」などと書いてあった。また貴司が入間に「(九頭竜は)鳳凰が狙っている人物だ。幻獣に匹敵する規模の詐欺組織を率いている。幻獣、九頭龍両方を挙げる」と言っていただけに、2019年には既に幻獣と対立していた。おそらく、他のハコにいた人物が初代九頭龍を殺害し、新たな九頭龍として独立し勢力を広げ、それを仁義的に許せない幻獣という対立の構図。反社の跡目争いではよくある展開だ。

 本来、中国の四神には、青龍、朱雀、白虎、玄武のほかに麒麟が存在するが、麒麟はまだ作中に登場していない。もしかするとその骨は麒麟のもので、九頭龍に幻獣が使い捨てにされたか、もしくは新九頭竜が麒麟である可能性もあるが、そうなると新九頭竜と今の幻獣はお互いが顔見知りなのでまずありえないだろう。

 神奈川県警の真の目的も九頭龍の炙り出し。ただ、円山兄妹にその事実を言わなかった理由は何なのか。親の仇である鳳凰を見つけた時点で殺してしまうと九頭龍に辿り着けないからだろうか? そして現在、円山兄妹の活躍で幻獣の幹部に認められそうな状況の中、刑事部長・狩野正臣(神尾佑)は「これでようやく九頭龍の正体に近づける」、刑事の吉野は(長尾純子)は「渡良瀬貴司の死も無駄ではありませんでした」と本当に九頭龍を知らなかった様子だが、入間だけは複雑な表情で深追いさせたくない態度を示している。また、幻獣で一番不可解な人物が櫛田塁(フェルナンデス直行)。これだけの目立つ男が警察のデータベースには引っかからないのか。入間が優貴を救出しに来たとき、優貴の名前を叫んだことで刑事と知り合いだと気づいたはずだ。考えられるのは、幻獣たちにとって入間と円山兄妹の関係はお見通しだということ。そうでないと、拉致されて解放された直後に貴一と入間が密会するというのもありえない光景だ。入間と櫛田、そして櫛田を雇う玄武が繋がっているのか。

 ネット上で話題になっているのが、櫛田が実は顔を変えた貴司という説。信濃がハコのメンバーに近づいたタイミングを考えると、貴一の情報を誰かが聞いたからではないだろうか。つまり警察内部からのリーク。消去法で考えるとやはり入間が怪しい。新九頭龍側が実はシロサギ集団で幻獣を潰すために作られた組織ならどうか。当初は、貴司が入間に九頭龍について話したときの服装と、刺されたときの服装が同じで、つまり九頭龍のことを公言した直後に殺されたとしたら入間が怪しいと思われる。しかし、貴司も入間にその九頭龍の真の目的を後から聞かされ、入間に偽装で兄妹の前で分かりやすく殺され、今は九頭竜の幹部として動いてるという説はどうだろう。極論で言ってしまえば、どちらかの組織が、『VIVANT』の別班のように実は公安の秘密別部隊だったというような展開でもおかしくない。とはいえ、入間ラスボス説も根強いが、貴司に「俺が何かあったら子供たちを頼む」と託された入間は純粋に円山兄妹を心配しているのかもしれない。

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