『おむすび』高松咲希が担う“阪神・淡路大震災のあの日” 歩の人物像を支える存在に

 ここで思い出したいのが第16話での「辛かったのはお姉ちゃんだけやない。うちだって辛かった。苦しかった。悲しかった。神戸のことも、真紀ちゃんのことも」という結のセリフと、第18話での「最初からギャルなんかじゃなかったから」という歩のセリフ。二人の脳裏には、神戸での真紀との日々が浮かんでいたのだろう。第21話で印象的に描かれた真紀との別れのシーンや、震災後の避難所での真紀を心配する歩の表情。何も起きないでほしいと願ってしまうが、嫌な予感がしてしまう。

 結と歩が抱える悲しみに真紀が関係し、歩がギャルになった理由にも真紀との思い出が絡んでいるのかもしれない。高松は真紀に起きてしまうこと、それに起因する苦しみと悲しみに直面する歩を演じることになる。神戸パートで葛藤する歩の姿が視聴者の心に響けば響くほど、『おむすび』という作品全体のメッセージを強めることになるだろう。

 高松は、現代パートの歩の振る舞いや感情に、思わず共感してしまうほどの説得力のある中学生の歩を演じてくれるはず。今でも集まる過去の役への賞賛の声がその証だ。

■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、麻生久美子、北村有起哉、佐野勇斗、緒形直人、キムラ緑子、磯村アメリ、新納慎也、高松咲希ほか
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK

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