『あのクズ』“海里”玉森裕太のボクサーとしての過去が明らかに 岡崎紗絵の複雑な表情も

 ただ、ほこ美によって持ち込まれたボクシングイベントの専属カメラマンの仕事を、海里は引き受けることにした。7年前の出来事に囚われ続けていた海里に見られたせっかくの前進の兆しにもかかわらず、その機会を奪ったのもやはりまた7年前の話だった。彼のその出来事を持ち出して役所の公的な専属カメラマンには不適切だという声が上層部より挙がってしまい、契約を打ち切られてしまう。直接の原因は富岡議員(橋本じゅん)に届いた無記名の封筒に入ったタウン誌だったが、一体誰がこんなことをしたのだろうか。イベントには代理のカメラマンの手配までされていたことからも、悟(倉悠貴)が怪しく思える。何だか悟からは海里にずっとクズのままで居続けてほしいというような気持ちが見え隠れしているように思える。

 そんな事情があるとはつゆ知らず「やっぱりやめた」とうそぶく海里に、ほこ美は冒頭の言葉を投げかける。海里を殴ることを目標に始めたボクシングだったが、海里に教えてもらったボクシングのあるべき姿になぞらえると、「同じだけの努力をしていて、そういう苦労を乗り越えた者同士尊敬し合っているから思いきり殴れる」ということなのだとすれば、今の海里はほこ美にとって殴るに値しない相手ということ。

 どんどんほこ美を起点に海里の世界をボクシングが侵食し始める。自分がこっそり海里の店に通いながら様子見していた時には一切変化のなかった海里が、いろいろと新しい取り組みや気持ちごと受け取り変化していこうとする様子が、ゆいにとってはどうやら面白くないようだ。同じところでつまずいていてほしい海里が前を向くという変化を受け入れられないのは、実はゆいの方なのかもしれない。

■放送情報
火曜ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜放送
出演:奈緒、玉森裕太、岡崎紗絵、小関裕太、倉悠貴、鳴海唯、玉井詩織(ももいろクローバーZ)、晝田瑞希、渡部篤郎、斉藤由貴
脚本:泉澤陽子、鹿目けい子
プロデュース:戸村光来、佐井大紀、宮﨑真佐子
演出:岡本伸吾、石井康晴、小牧桜
主題歌:PEOPLE 1「メリバ」
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/anokuzu_tbs/
公式X(旧Twitter):@anokuzu_tbs
公式Instagram:anokuzu_tbs
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