『ソウX』は“舐めてた相手が殺人マシン映画”に シリーズ初見でいきなり第10作を観てみた

 それから、“ゲーム”が始まってからのゴア描写も痛々しくはあるのですが、「そうはならんやろ」というぶっ飛んだ展開が多く、どこかファニーです。何も考えずにごはんを食べながら観てしまったのは失敗でしたが、気分が悪くなるほどしんどい描写は(個人的には)ほぼありませんでした。

 ただ、1つだけ不満をあげるとするなら、“ゲーム”の順番です。筆者の印象ですが、1人目の扱いが最もグロくて面白く、後のほうになるにつれて、段々インパクトが薄くなっているように感じました。特に最後まで取っておいたあの人は、あの程度でよかったのか? もしかしてあの程度だったのにも意味があるのか? と、良くも悪くも「もっと観たい」と思わせる構成になっていました。

 そして、過去作を観ておけばもっと楽しめたと思うのは、仲間とのシーン。ジョン・クレイマーと協力者との絆が割としっかりめに描かれているのですが、こちらは初見だと「おじいちゃん、友達いたんだ」くらいの感覚なので、やはりある程度予習してから観たほうが、100%楽しめそうです。

 しかし、これで筆者も立派な『ソウ』ウォッチャー(“見る”が重複していますが)。あえて『ソウX』の後に『ソウ』を観ることで、すでに誰がこのゲームを仕組んだか知っている“後方腕組み彼氏面”で楽しむことができそうです。

■公開情報
『ソウX』
全国公開中
出演:トビン・ベル、ショウニー・スミス、スティーヴン・ブランド、シヌーヴ・マコディ・ルンド、マイケル・ビーチ、レナータ・ヴァカ、オクタビオ・イノホサ
監督・脚本:ケヴィン・グルタート
脚本:ジョシュ・ストールバーグ、ピーター・ゴールドフィンガー
製作総指揮:ジェームズ・ワン、リー・ワネル
配給:リージェンツ
2024年/アメリカ/英語 5.1ch/118分/原題:Saw X/字幕翻訳:野村順子
©2024 Lions Gate Ent. Inc. All Rights Reserved.
公式サイト:https://saw-x.jp/

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