『わたしの宝物』第1話からまさかの展開に騒然 田中圭と深澤辰哉が正反対な役どころに

 ただ、一線を越えるきっかけも雰囲気も皆無だった2人を結びつけたのも、やはりモラ夫・宏樹の暴走だった。こっそりとフリーマーケット会場に見学に来ると、美羽が自分の前では見せないような笑顔で接客する様子に耐えられなくなり、その場を後にする。そして自分の知らないところで妻が生き生きしていると、途端に焦り始め自信を失ったのか、突然無理矢理に抱こうとする。美羽の拒絶を力づくで解き行為に及ぶ宏樹の中にあるのは、もちろん愛情なんかではない。支配欲と所有欲のみだろう。

 明け方トボトボと一人彷徨う美羽の顔からは表情も温度も消え、まさに空っぽだ。近しい相手から尊厳を奪われ続けていたことをはっきりと自覚してしまった美羽は、冬月の言う通り“宝物をなくしてた”ことに気づいてしまう。

 美羽との思いがけない再会を「神様がくれたプレゼント」だと憚ることなく言ってくれた冬月と彼女との間に、間もなくもう1つの思いがけないプレゼントで宝物がやってきた。お腹の子の父親が冬月とわかったすぐ後に、なんとアフリカで起きた爆発事故によって冬月が犠牲になったことを知るジェットコースター展開に、美羽の中で迷いが吹っ切れたようだった。まるで彼の生まれ変わりかのように自分のお腹にやってきてくれた子を、美羽だって一人で育てたいのは山々だろう。しかし、今の自分には仕事もなければ子どもの養育費だけでなく、宏樹が払ってくれている母親の入院費に借金などを考えると、一人で子育てすることはあまりに非現実的すぎる。

 宏樹を騙して托卵妻になることを決意した彼女の嘘と覚悟を、他人が無責任に批判できるものではないだろう。そして宏樹に「あなたの子よ」と言い切った美羽は、既に見違えるほどに強くなっている。

 さて、この決断がそれぞれにどんな影響をもたらすのか。冬月亡き今、彼はどんなふうに物語に関わり登場するのか。また切ないのは、宏樹も以前は冬月のように一緒に涙してくれる優しさに溢れていたらしいところだが、何があって今のような全く別人かのような宏樹になってしまったのか。宏樹側の事情も気になるところだ。

■放送情報
木曜劇場『わたしの宝物』
フジテレビ系にて毎週木曜22:00~22:54放送
出演:松本若菜、田中圭、深澤辰哉、さとうほなみ、恒松祐里、多岐川裕美、北村一輝
脚本:市川貴幸
主題歌:野田愛実「明日」(avex trax)
演出:三橋利行(FILM)
プロデュース:三竿玲子
制作・著作:フジテレビ
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