『シビル・ウォー アメリカ最後の日』はいま観るべき一作 臨場感あふれる驚きの音響設計
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、来週から米カリフォルニア州ロサンゼルスへ出張に行く宮川が『シビル・ウォー アメリカ最後の日』をプッシュします。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
アメリカ本国の公開から約半年。11月5日に行われるアメリカ大統領選挙の約1カ月前というタイミングで、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』がついにここ日本でも公開となった。監督としては『エクス・マキナ』や『アナイアレイション -全滅領域-』、『MEN 同じ顔の男たち』などの映画のほか、ドラマシリーズ『DEVS/デヴス』などSF要素のある作品を手がけてきたアレックス・ガーランドが本作で描いたのは、アメリカ国内で起きる内戦だ。
舞台は、連邦政府から19の州が離脱した近未来のアメリカ。テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられるなか、ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストが、14カ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、ホワイトハウスへ。戦場と化した旅路の中で、彼女たちは内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていく。
日本でも人気を集めるアメリカの映画製作・配給会社A24が史上最大規模の製作費を投じたことでも話題になった本作。実際に戦車やヘリなどを使って大規模に撮影された映像だけでも見応え十分だが、驚くのは音響設計だ。戦場と化した街の喧騒や銃声、カメラのシャッター音や沈黙の無音……。筆者はIMAXシアターで行われた完成披露試写会で作品を鑑賞したが、映像よりも音響にIMAXで観る価値を感じた(ベン・ソーリズブリーとジェフ・バーロウによる劇伴も素晴らしい)。