『素晴らしき哉、先生!』大きな決断をしたりおの母の言葉に涙 茅島みずきの光る演技も

 また、第7話は茅島みずきの演技が光った回でもあった。『すばかな先生』の玲奈もそうだが、最近の茅島はどこか影を纏った役柄を演じることが多い。同世代の俳優陣と比べると大人びており、達観している部分があるため、そういったキャラクターをあてがわれるのだろう。同クールに放送されていた『あの子の子ども』(カンテレ・フジテレビ系)でも、家庭に問題を抱えて心を閉ざすようになってしまった女子高生を演じていた。

 玲奈も、高校生でありながら銀座のホステスで働き、母が営むスナックの手伝いをしている……という実年齢よりは大人びた経験をしている役柄だ。第7話では、大学の費用を稼ぐため、国会議員の吉沢(田口浩正)にゆすりをかけたときの挑発的な眼差しと、反撃を喰らったときの脆さ。その両面を演じ分けなければならなかった。

 どれだけふてくされたことを言っていても、視聴者が玲奈を応援したくなるのは、その奥にピュアな心がちゃんと残っているのが伝わってくるからだと思う。玲奈は、かなり自分勝手な母・夏子(鈴木紗理奈)のことも見捨てずに、どうにか助けようとしている。「これって、共依存のようになっているのでは?」と心配になる瞬間もあったが、玲奈が母を守りたいと思う理由は、「産んでくれたから」。

 玲奈をみごもったとき、夏子は未婚だったため、堕ろす選択もあったはずなのに、産むことを選んでくれた。「それで、今ここにわたしがいるから」と言ったときの玲奈の晴れ晴れとした表情を見て、子どもにこんなふうに思わせることができたら、子育ては成功なのかもしれないなぁ……なんて思った。

 “素敵な大人”の姿を見せるため、吉沢を警察に突き出したりおの父・秀樹(高橋克典)。りおが涙ながらに妊娠のことを話したとき、そっと寄り添い、「(教師失格だって)思われたっていいじゃん。パパもママも、全力で守ってあげるからさ」と励ました母・奈緒。妹のせり(内海誠子)も、いつでも明るくりおの悩みを吹き飛ばしてくれる。この家族のなかで育っていく子どもは、きっと素敵な人間になるはずだ。りおと、りおの子どもの成長が楽しみでならない。

■放送情報
『素晴らしき哉、先生!』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:00〜放送
出演:生田絵梨花、茅島みずき、鈴木仁、橘優輝、永瀬莉子、矢吹奈子、小宮璃央、小栗有以、葉山奨之、桐山漣、浜谷健司、鈴木紗理奈、田口浩正、小関裕太、萬田久子、柳沢慎吾、田中美佐子、高橋克典
脚本・演出:宅間孝行
音楽:コトブキミュージックラボ
主題歌:竹内まりや「歌を贈ろう」(ワーナーミュージック・ジャパン)
企画・プロデュース:清水一幸(ABCテレビ)
プロデューサー:松崎智宏、藤田洋平(ABCテレビ)、川西琢、倉木義典、矢内達也(エー・ビー・シーリブラ)
制作協力:エー・ビー・シーリブラ
制作著作:ABCテレビ
©︎ABCテレビ
公式サイト:https://www.asahi.co.jp/subakana_sensei/
公式X(旧Twitter):@subakana_sensei
公式Instagram:@subakana_sensei
公式TikTok:@subakana_sensei
公式LINEアカウント:@abc_drama

関連記事