三宅裕司×野添義弘、最新作で60年代安保を描いた理由を語る 劇団SETの長寿の秘訣も

三宅裕司は若返り続けている?

(左から)三宅裕司、野添義弘

――野添さんは入団してからずっとアクション振付(技斗)をやっているのでしょうか?

野添:最初は違いました。やるようになったのは入って5、6年目ぐらいからです。最初はアクションの振り付けの先生がいらっしゃったのですが、その方が抜けていなくなったとき、僕が地元の大阪でアクションをやっていたときの先生にお願いしまして。その後、三宅さんが劇団のなかでアクション指導できる人間を作りたいと言って、僕がやるようになり、かれこれ35年以上になりました。いまは劇団の公演に関しては全部僕が振り付けています。

三宅:音楽もアクションも全部、劇団のなかでやりたかったんですよ。音楽プロデューサーの大崎聖二は元役者で劇団員でした。昔のVTRを見ると面白いですよ。音楽にはうるさいやつがとんでもない演技をしていて(笑)。

三宅裕司

――今回、野添さんのワークショップがあるそうで。

野添:舞台が終わった後にアクション体験みたいなものを舞台上でやる予定です。アクションの楽しさをわかっていただければ嬉しいですね。

――三宅さんのアクションにおける身体能力の高さは?

野添:すごいですよ。もともと日舞もやられているので所作も美しいですし、とくに長太刀を持つと構えが決まります。見得を切るとかっていうのは得意中の得意ですし。今の若手劇団員ではできないこともできますよね。

三宅:SETのアクションはハードで、アクションのあとにセリフをしゃべることもあってめちゃくちゃ苦しいんですよ。

野添義弘

野添:アクションは無呼吸運動なのでとても苦しいです。アクションが終わったあと、汗が急激に出てきたりして。

三宅:もう73歳だから、なかなか難しくなってきているけれど、動けるうちはやりたい。やりたがりなんで(笑)。アクションから外れたら悔しいと思う自分でいつまでもいたいですね。

野添:僕も66歳で、決して若くはないので、常に体が動くようにメンテナンスしながらトレーニングして、舞台に立ち続けることのできる体力は付けていきたいと思っています。

――4年前にインタビューさせていただいたとき(三宅裕司が語る“舞台”へのかけがえのない想い 「生きてる限りやらなきゃいけない」)と全然お変わりにならないというか、ますますお若くなっている気がするんですが。

三宅:そうなんですよ。僕は60歳から68歳までが最悪の時期で、きっとそこでもう体の悪い毒や溜まっていたストレスを全部出し切ったんでしょうね。だからいま若返っているような気がします。

野添:三宅さんって髪の毛、染めてないんですよ。

取材に立ち会った一同:えええええ(驚愕)。

野添:僕のほうが7歳年下なのに。信じられないでしょう。

三宅:いや、最近ちょっと白髪増えちゃってさ(笑)。

野添:笑福亭鶴瓶さんの番組に出たとき、鶴瓶さんがやたらと僕に丁寧にお話されるので、なんでかな? と思ったら、「三宅さんより先輩でしょ?」と聞かれて「違いますよ7つ下です」「嘘やん」って(笑)。鶴瓶さんと三宅さんは同い年なんですよ。

――ところで、三宅さんと小倉久寛さんが今回の主人公の2人を演じるのでしょうか?

三宅:僕と小倉が20代の学生を演ったらとんでもないことになりますよ(笑)。小倉は主人公の父親で音楽関係の会社の社長、僕はその秘書です。カバーポップスがヒットすれば会社が儲かるわけですが、だんだん下火になってきてどうしようって悩んだりする人たちです。小倉社長がボケて秘書がツッコむ役割ですね。

野添:僕は学生運動の学生役です(笑)。自称25歳ですが、本当の年齢は誰も知らなくて、想像にお任せという感じです。年齢は不明ですが学生運動をやっているグループのなかの一番下っ端です。

三宅:野添は大阪育ちなので笑いのセンスは抜群だし、演技も上手いんですよ。でもSETは東京の笑いなので大阪の笑いとは少し違う。東京の笑いはしつこくない。ちょっと早めにやめておくのが東京の粋なんですよね。

野添:東京に来てから長いのになかなか粋にならない(笑)。

(左から)三宅裕司、野添義弘

――最後に今回の作品の見どころを改めてお願いします。

三宅:60年代の学生運動を描いていますが、あの時代の学生のセリフが全部いま僕らが世の中で不満に思っていることと同じなんです。日本とアメリカの関係を考えると当たり前かもしれませんが……。若い人が観て少しでも日本の将来を考えてくれたら、この公演をやった意味がある気がします。今回45周年、あと5年で50周年です。ミュージカル・アクション・コメディーというエンターテインメント劇団で50年やり続けられたら我ながらすごいことかなと思って、いまから50周年に向けた目標を考えています。

■公演情報
劇団スーパー・エキセントリック・シアター創立45周年記念・第62回本公演
『ニッポン狂騒時代~令和JAPANはビックリギョーテン有頂天~』
脚本:𠮷井三奈子
演出:三宅裕司
出演:三宅裕司、小倉久寛、永田耕一、田上ひろし、野添義弘、岩永新悟、赤堀二英、西海健二郎、おおたけこういち、安田裕、榊英訓、栗原功平、岩澤晶範、長谷川慎也、辻大樹、時松研斗、浅田壮摩、渋谷渉大流、大城麗生、千葉雅大、宮下幸生、白倉基陽、焙煎功一、三谷悦代、杉野なつ美、丸山優子、白土直子、良田麻美、南波有沙、久下恵、山口麻衣加、鎌田麻里名、立川ユカ子、白井美貴、山城屋理紗、須田歩、岡山玲奈、村田彩夏、鶴田彩、髙山夏姫 

<東京公演>
日程:10月17日(木)~10月27日(日)全12公演
※開場は、開演の45分前
※未就学児の入場は不可
※車椅子の方はチケット購入前にチケットスペース(03-3234-9999)まで連絡を
会場:サンシャイン劇場(東京都豊島区東池袋3丁目1-4 サンシャインシティ 文化会館4F)
料金(全席指定・税込):
S席…8,500円
A席(土日)…7,000円
A席(平日)…4,500円/劇団創立45周年記念特別価格
※A席は土日・平日にかかわらず2階席後方の席

チケット取り扱い:
■チケットスペース 03-3234-9999(オペレーター対応)チケットスペースオンライン 検索
■チケットぴあ  https://w.pia.jp/t/set-62/
店頭販売:セブンイレブン(Pコード:527-159) で直接販売
■ローソンチケット https://l-tike.com/play/set-62/
店頭販売:ローソン・ミニストップ店内Loppi(Lコード: 33064)で直接販売
■イープラス  https://eplus.jp/set-62/
店頭販売:ファミリーマート店内マルチコピー機で直接販売
■チケットホン松竹 0570-000-489(オペレーター対応10:00~17:00)
■サンシャイン劇場 窓口販売(全日14:00~17:00)
提携:サンシャイン劇場
主催:劇団スーパー・エキセントリック・シアター ニッポン放送

<神戸公演>
日程:11月8日(金)~11月10日(日)全4回
※開場は、開演の45分前
※未就学児の入場は不可
※車椅子の方はキョードーインフォメーション(0570-200-888)まで連絡を

会場:AiiA 2.5 Theater Kobe(兵庫県神戸市中央区北野町1 コトノハコ神戸2F)
料金(全席指定・税込):
S席…9,500円
A席(3階席)…7,700円

チケット取り扱い:
■チケットぴあ https://w.pia.jp/t/nipponkyosojidai/ 【Pコード:527-197】
■ローソンチケット https://l-tike.com/nipponkyosojidai/ 【Lコード:52926】
■イープラス https://eplus.jp/nipponkyosojidai/
■楽天チケット https://r-t.jp/nipponkyosojidai/
■CNプレイガイド https://www.cnplayguide.com/nipponkyosojidai/
主催:ABCフロンティア

【問い合わせ】
公演▶ SETインフォメーション MAIL:info@set1979.com
チケット▶
東京公演:チケットスペース 03-3234-9999(10:00~15:00 ※休業日を除く)
神戸公演:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~18:00 ※日祝除く)

企画・制作:(株)スーパーエキセントリックシアター(株)アミューズ(同)アタリ・パフォーマンス
公式サイト:https://www.set1979.com/stage/2024/
公式X(旧Twitter):https://x.com/SET_1979

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