豊永利行×稲垣好と“ロボットとの結婚”を考える かわいさの鍵は「人間的な不器用さ」

“物理的な機微”の演技に挑戦した稲垣好

ーー話を読み進める中で、ミーナがかわいく思えてきたのはどのあたりだったのでしょうか?

豊永:実は結構最初の方からでしたね。アニメ第2話のお腹で温泉卵を作るみたいなことをやり始めるあたりから。そこから「このロボットかわいいかも」って思い始めました。あと、ミーナちゃんは家事ロボットだから機能が制限されているバージョンだというところですね。極限まで性能の高い“スーパーミーナちゃん”も登場しますが、割とすごく人間らしい振る舞いをするロボットで、ミーナちゃんはそうじゃないところがまた逆に愛らしいというか。人間的で、不器用なところにかわいさを感じるようになりました。

稲垣:あとは無表情なところですね。表情がないからこそ怖いなと思われてしまうのですが、第1話でタクマと寝るときに「何が好きですか?」と聞かれて、「ミーナちゃん」と言うまで寝なかった。これすごくかわいいじゃないですか。この、「求めてる答えはそれだったんだ……!」みたいな、「好きって言って」というような感情が最初に見えて、そこがかわいいですし、“沼”の始まりだったと思います。

ーーそんなミーナという存在をどのように演じましたか?

稲垣:やはり、動作にかわいらしさが表れるところがあるので、表情の変化が見えない分、動きの抑揚をなんとかつけられないかなと意識しました。首を上げる動作をするときに声はどういう風に出るかな? など、少しずつ変化を入れていきました。あとはずっと同じように喋っているので、語尾や、何回も言う「かしこまりました」というセリフの中にも少しずつ変化を入れて、2人の関係の距離感などを出せるようにしていました。

ーーそんなミーナの演技を豊永さんはどのように受けていましたか?

豊永:感情がない中での“物理的な機微”みたいなものに稲垣さんがチャレンジしてることはわかっていました。僕としては、その演技に“反応したい”という気持ちはありましたが、タクマ目線で考えてみると関係が進展するにつれて起こるミーナちゃんのそういう変化は当たり前のことで、タクマはミーナちゃんの変化をありのまま受け止める人だと考えていました。なので、そこにプラスする形で、タクマがミーナちゃんのことをどれだけ思ってるか、みたいなことで返すようにしようと思い、芝居を組み立てました。

■放送情報
『僕の妻は感情がない』
TOKYO MXほかにて、毎週火曜23:00〜放送
キャスト:豊永利行(小杉タクマ役)、稲垣好(ミーナ役)、青山吉能(小杉あかり役)、芹澤優(スーパーミーナ役)、松田利冴(西園寺リヒト役)、若井友希(マモル役)
原作:杉浦次郎『僕の妻は感情がない』(MVコミックス フラッパーシリーズ/KADOKAWA刊)
監督:吉村文宏
シリーズ構成:広田光毅
キャラクターデザイン:ウクレレ善似郎
色彩設計:古谷恵
美術監督:河野次郎
撮影監督:伊藤佳恵
編集:田村ゆり
3Dディレクター:バイブリーアニメーションCG、北京写楽美術芸術品有限公司
音響監督:伊藤巧
音響制作:HALF H・P STUDIO
音楽:佐久間奏、中村巴奈重、田渕夏海、櫻井美希
音楽制作:日音
アニメーション制作:手塚プロダクション
オープニングテーマ:ときのそら「おかえりなさい」(ビクターエンタテインメント)
エンディングテーマ:清水美依紗「Wave」(ユニバーサル ミュージック)
製作・著作:製作委員会は感情がない
©2024 杉浦次郎/KADOKAWA/製作委員会は感情がない
公式サイト:https://bokutsuma-anime.com/
公式X(旧Twitter):@bokutsuma_anime

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