flumpool 山村隆太、『最寄りのユートピア』に本人役で出演 神尾楓珠とギターセッションも

 9月25日22時よりフジテレビ系で放送される神尾楓珠主演のスペシャルドラマ『最寄りのユートピア』に、山村隆太(flumpool)、小林涼子、田中真琴、森田甘路、吹越満が出演することが発表された。

 本作は、夢と現実の狭間で葛藤する男女が偶然出会い、“お酒”と“音楽”とともに過ごした2人の時間がもたらす奇跡を描いた人間ドラマ。「ヤングシナリオ大賞2023」で佳作を受賞した片岡陸が脚本を手がけ、本作でテレビドラマ脚本家としてデビューを飾る。演出は『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)や、『金魚妻』(Netflix)などを手がけてきた並木道子、プロデューサーを『ナンバMG5』(フジテレビ系)や『ブルーモーメント』(フジテレビ系)などの栗原彩乃が担当する。

 ライブ会場の警備員のアルバイトなどをしながら、憧れのバンド・flumpoolのボーカル山村隆太のようなミュージシャンとして成功することを夢見て路上ライブを中心に活動する工藤隆司(神尾楓珠)。高校時代に同級生と結成したバンドは結果が出ず5年前に解散したが、音楽の道を諦めきれなかった隆司は今でもフリーのシンガーソングライターとして活動を続けていた。伯父の工藤慎吾(吹越満)から以前に自分の歌を褒められたうれしさを支えに、音楽活動を続けてきた隆司だが、いつしかそれらも日常のローテーションとなり、惰性の作業に。美容皮膚科の医師・神原彩芽(小林涼子)の世話になり、なんとか生活はできていたが、隆司は自身の才能への自信をなくしかけていた。そんな時、偶然大手雑貨メーカーに勤める木崎夕莉(北香那)と夜の公園で出会う。実は、夕莉も会社の同期の柴野麻衣(田中真琴)や先輩の柿沼健人(森田甘路)のように1つのことに熱中するような経験も特になく、当たり障りのない日常を過ごす自分にぼんやりとした引け目を感じていた。そんな悩みを抱えた2人が“お酒”と“音楽”とともに過ごすことで次第に心を通わせていき、自分にとって価値あるものや自分の進むべき道筋を見いだし……。

 山村が演じるのは、「世の中の人が自分の歌に何を求めているのか」分からなくなり、新曲を書けずに壁にぶつかっているミュージシャン。そんな折、自宅のベランダから隆司と夕莉が音楽を奏でながら楽しそうに過ごしている姿を見ているうちに、何も考えずにただ目の前の感情のままに音楽を作っていた昔の自分の姿を思い出し、音楽との向き合い方に変化が訪れる。山村は『突然ですが、明日結婚します』(2017年1月期/フジテレビ系)で俳優デビューしており、演出の並木、プロデューサーの栗原とは同作以来のタッグとなる。また、2024年6月には映画『風の奏の君へ』でスクリーンデビューし、俳優としてのキャリアも積み重ねる山村は本作で初の本人役として、神尾と初共演を果たす。

 小林が演じるのは、隆司を金銭面で支援する美容皮膚科の医師・神原彩芽。恋愛や結婚に対して従来の価値観に縛られない彩芽は、隆司に対して恋愛感情はないが、容姿が好みで気になる存在であることから、気まぐれでご飯を一緒に食べたりお金をあげたりと世話を焼いている。

 そして、夕莉の会社の同期・柴野麻衣役に田中、夕莉の会社の先輩・柿沼健人役に森田、隆司の父親の兄で、隆司の伯父・工藤慎吾役には吹越が決定。吹越演じる工藤は、十数年前にはサラリーマンとして働きづめだったが、今はゲストハウスを経営し、マイペースな時間を過ごしているという役どころ。慎吾から歌を褒められたうれしさを支えに音楽を続けてきた隆司にとって、慎吾は良き相談相手。父親を亡くした隆司を、我が子のように見守っている。

 山村と脚本を手がけた片岡からはコメントも到着している。

山村隆太(flumpool)コメント

今作の出演オファーを受けた際の心境

めちゃめちゃうれしいです! すごく光栄でした。flumpoolはデビュー15周年を迎えたのですが、やっぱり15年もやっていると、自分たちが生きてきた証のようなものが何だろうなと問い直す、振り返るタイミングが多かったんです。ドラマでも隆司がflumpoolの歌を大切にしてくれているということで、15年諦めずにやってきてよかったなと思いました。ご褒美をもらったような気持ちになりました!

登場人物の印象

僕にとって音楽は1つの居場所でした。家族や先生にも見せられない素顔や表情というものの居場所が音楽だった。まさに隆司と夕莉2人を見ていると、社会を生き抜く唯一の居場所として求めたのがこうした音楽という場所だったのかなと。音楽に救いを求めるし、力を求めるし、そういう特別な居場所なんですよね。そこが2人と、僕との共通点かなと感じました。

隆司とflumpoolの共通点

隆司は自分たちの昔そのままだなと思いました。もはや、flumpoolのドラムが“せいじ”なので、ミックスして“たかし”じゃなくて“りゅうじ”の呼び名が良かったくらい(笑)。実は、僕たちも夢を諦めかけたことが何度もあったんです。解散ライブを考えたこともありました。でも、そこで夕莉のような自分たちを救ってくれる人、支えようとしてくれる人が現れて、今につながっている。そういう意味では本当に昔の自分を見ているような気分になりました。同級生がもう働いていたり、自分の夢を見つけてそこに向かって走っていたりする中、僕はまさに隆司のように大学を卒業してもまだ路上ライブを続けていたんです。そこにスーツを着た同級生がやってきて、“まだやっているの!?”と軽い気持ちで言われた時、自分はちょっとうつむいてしまい、そんな自分を悔しく思ったことがありました。だから、自分に自信を持てない、自分のことが好きになれない隆司の気持ちももちろんわかります。ただ、自分を見失わないでほしい。今こうやってたくさんの人に支えられている身としては、隆司の背中を押したくなるような気持ちにもなります。

演出の並木監督との再タッグについて

すごく懐かしいなと思いました。ドラマ『突然ですが、明日結婚します』出演以降も連絡はしていたのですが、こうやって現場でまた並木さんと一緒に表現できるというのはものすごく僕にとっては心強い限りです。『突然ですが、明日結婚します』をやっていた時は初めての演技で不安もあるなかで、並木さんに導いてもらっていたんです。flumpoolの活動休止など僕自身色々なものの経験を経て、また作品を一緒にできるということで、この縁に感謝しています。このドラマのように1つ1つの縁が重なって形になっていけばいいなと思っています。

初共演の神尾楓珠の印象

まずは、かっこいいなと思いました! そして、神尾さんのたたずまいとか一言を聞いていて、ものすごく芯のある方だなと思ったんです。おだやかなように見えて自分をもっているように感じた。隆司は本当に自信がなくて、1つ2つ出会う縁のなかで自信を積み重ねていくという役柄だと思うので、神尾さんがどう成長をみせてくれるのかというのはすごく楽しみになりました。後は歌がうまいです。僕もご一緒するシーンで神尾さんが歌ったとき、聞き惚(ほ)れてしまって。演技を忘れてしまい、テイクが予定より多くなってしまいました(笑)。神尾さんの歌が素晴らしくてたくさん聞きたくなってNGをいっぱい出してしまいました(笑)。

視聴者へのメッセージ

この作品は、夢を見ることや自分らしさを貫くことがテーマかと思っています。もう15年flumpoolをやってきている中で感じるのは、夢をスタートさせることよりも夢を持ち続ける方がとても難しいということ。友達関係、家族関係、仕事も恋愛も、どこか“変わらないといけない”のかなと思ってしまうところはあるかと思うんです。でもこのドラマは“変わらないことの大切さ”を教えてくれると思うし、支えてくれる人たちの大切さまで教えてくれるなと。僕も15年やって変わらなきゃいけないのかなと思うこともありますが、でも変わらずに自分たちの初心や時間が経っても変わらないものを大切にしたいなと思いました。

片岡陸(脚本)コメント

ヤングシナリオ大賞での受賞から今回の脚本制作に至るまでの感想

ひとえに縁と巡り合わせに尽きると感じています。昨年の受賞から本作の制作に至るまで、あらゆる場面を思い返してみても、少なくとも今の時点では運よく拾い上げてもらったとしか言いようがありません。

企業に務めている経験が脚本を書く上で生かされていると思う点

生活は地続きであり、全て繋がっていると思っているので、明確な棲(す)み分けは特にありません。後者の質問について、企業勤めに特有の感覚とは全く思っていませんが、日々働く中で将来に対するぼんやりとした不安のような気持ちは絶えず感じられているので、強いて言えばそうした情緒かなと思います。

本作を執筆していた際の思い、一番の見どころ

良いことばかりじゃないけど、悪いことばかりでもない。そんな想(おも)いは執筆中に通底してあったと記憶しています。公園での2人のシーンは物語の中心になるので、ぜひ注目してください。

視聴者へのメッセージ

どんなに劇的なことが起ころうが、明日になれば、大抵はいつも通りの生活が続いていく。四六時中幸せでいる必要なんてないのだから、退屈も不安も全てひっくるめて今の自分を肯定できるような一瞬があれば、きっとそれで十分なんだと思います。

今後執筆したいテーマ

退廃的な若者たちの群像劇を書いてみたいです。

■放送情報
『最寄りのユートピア』
フジテレビ系にて、9月25日(水)22:00~23:34放送
出演者:神尾楓珠、北香那、小林涼子、田中真琴、森田甘路、山村隆太(flumpool・特別出演)、吹越満ほか
脚本:片岡陸
演出:並木道子
プロデュース:栗原彩乃
制作協力:ファインエンターテイメント
制作・著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
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