『ブラックペアン2』S1を想起させる描写が随所に 母の手術をめぐる天城と渡海の対称性
シーズン1の第6話では、渡海の母親(いまになって考えれば、それは天城の母親でもある)が東城大に緊急搬送され、先述の手術支援ロボット“カエサル”の治験患者第一号としてオペが行われた。しかしカエサル手術はうまくいかず、渡海は東城大の規定を破って自らオペを執刀し、なんとかその命を救ったのである。最新技術を差し置いて自分の腕ひとつで母親の命を救った渡海と、まだ未熟だった技術で母親の命を救えなかった天城。ここにもまた、この双子の対称性が現れているといえよう。
さて、当の渡海は冒頭数分で天城を救って再びこの物語から姿を消すことになった。おそらく再登場はないのかもしれない。目を覚ました天城を待ち受けていたのは、新病院に向けた“最後の仕上げ”として佐伯から提案される新たな公開オペ。そして、かつて天城の育ての父である天城司(大和田伸也)が手術を執刀したと記録が残されている“徳永栄一”という患者の存在に、天城司が死の直前に残した「ブラックペアンの約束は破られた」という言葉。父の無念を晴らすべく佐伯と対峙するようなこの構図もまた、シーズン1と通じているものだ。シーズン2の終幕を飾るであろうこの公開オペは、天城が自らに対して課した“シャンスサンプル”というわけか。
参照
※ https://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/teachings/
■放送情報
日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな、キム・ムジュン、内村遥、今野浩喜、森田甘路、ヤマダユウスケ、松川尚瑠輝、水谷果穂、チェ・ジウ、田中みな実、石坂浩二、趣里、神野三鈴、橋本さとし、段田安則、小泉孝太郎、内野聖陽
原作:海堂尊『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』(講談社文庫)
脚本: 槌谷健、守口悠介ほか
演出:西浦正記、加藤亜季子、伊東祥宏
音楽:木村秀彬
主題歌:小田和正「その先にあるもの」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
プロデュース:伊與田英徳、武藤淳、佐久間晃嗣
製作著作:TBS
©︎TBS
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