『虎に翼』航一が寅子に伝えたまっすぐな“愛の告白” 「僕の妻ですと紹介したいんです」
寅子と優未(毎田暖乃)が山田轟法律事務所で出会った人々との会話も、1人1人の思いが感じられて心揺さぶられる。山田(中村中)や千葉(ニクまろ)は「頑張ったり、理由を考えたり、説明したりしなきゃ、自分が認められないことがずっと苦しい」「僕らだけ、いつも理由が求められる」と明かし、よね(土居志央梨)は「理由がいる時だってある」「私は男になりたいわけじゃない。女を捨てたかっただけだ」と言った。彼らの意見を聞いて「はて?」が浮かんだ寅子がぶつぶつ呟きながら頭の整理を始める姿はコミカルだが、誰もが1人1人が違う意見を持ち、自分らしく生きる道を歩もうとしていることが分かる場面だった。
そして物語の終わり、寅子は名字について1つの結論を出す。それは、心から夫婦になりたいと思うからこそ、自分が折れるべきだというものだった。すると、話を聞いていた遠藤(和田正人)は自分がなぜ轟(戸塚純貴)に惹かれたのかを話したうえで、寅子にこう伝える。
「自分が曲げたくないものを折るって、自分も、折らせた相手も傷つけることなんです」
遠藤の言葉は優しくも核心を突く。ハッとさせられた人は少なくないだろう。
たくさんの噛み締めたくなるような台詞が登場した第103話。航一が「婚姻届を出して行う結婚」をやめると提案して幕引きとなったが、寅子と航一がどのような議論を行うのか、どう決断を下すのか気になるところだ。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、岡田将生、森田望智、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、戸塚純貴、小林涼子、安藤輪子、塚地武雅、趙珉和、三山凌輝、毎田暖乃、和田正人、井上拓哉、青山凌大、今井悠貴、井上祐貴、尾碕真花、羽瀬川なぎ、川島潤哉、菊池和澄、余貴美子
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK