『ブルーピリオド』『BLUE GIANT』『ブルーロック』 タイトルに“青”が入る作品はなぜ多い?

 近年、アニメや漫画の世界で「青」をタイトルに冠した作品が次々と生まれている。『ブルーピリオド』『ブルーロック』『BLUE GIANT』――これらの作品は、若者たちの躍動感あふれる姿や、未来への希望、そして時に立ちはだかる困難を鮮やかに描き出す。いったい、なぜ「青」がこれほどまでに物語のタイトルとなり得るのだろうか。

 そう考えた時に、夏の青空や深い海の青を差し置いて、多くの人々の心に真っ先に浮かぶのは、あの懐かしくも眩しい「青春」という言葉かもしれない。最近では、訓読みの「アオハル」という言葉も広まりを見せた。この広まりには、『週刊ヤングジャンプ』増刊の『アオハル』を刊行した集英社の影響も無視できない。

 同じく集英社が原作を刊行し、アニメもヒットした『アオハライド』は、青を冠した青春ストーリーの一つと言えるだろう。「青」を題材にした作品は現在も続々と登場しており、例えば『週刊少年ジャンプ』で連載中の三浦糀作『アオのハコ』もその一つ。2024年10月よりアニメ化する本作が、映像としてどんな“アオハル”を描き出すのか、楽しみなところだ。

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 とはいえ、こうした青春の意味合いだけが「青」に込められているというわけではない。美大受験をテーマに、アニメ・実写ともに高い人気を集めている『ブルーピリオド』を例に取ってみよう。この作品のタイトルは、若い頃のピカソが友人を亡くし、人生の苦しみや社会の暗い面と向き合った「青の時代」から取られている。作品では、主人公たちが美術の世界で自分探しをする姿が描かれるが、ピカソの「青の時代」が表す孤独や不安、そして芸術への強い思いとよく似ている。ここでの青という色は、若者の心の中の葛藤と芸術を追求する姿を表現する手段として使われているのだ。

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 一方、ジャズの世界で高みを目指す学生たちを描く『BLUE GIANT』は、天文学の言葉を使って主人公の大きな夢を表現している。「青色巨星」という、高温な星になぞらえて、「ジャズ界で一番になりたい」という主人公・宮本大の姿を描いている。この作品では、「青」が単なる色ではなく、最高の技術やジャズ界のトップを表す言葉として使われている。

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