『虎に翼』寅子と航一が辿り着いた2人にとっての“普通” 不器用な身長差キスが微笑ましい

 寅子と航一がこの答えに辿りつくまでには、花江(森田望智)や優未、涼子(桜井ユキ)による後押しと、なんと言っても優三の手紙に書かれた寅子への深い愛があったわけだが、2人が交わした不器用な身長差のキスがなんとも微笑ましい。いや、微笑ましいを超えて、かわいらしいまである。

 航一のしようとするその気配に身構える寅子。ぎこちなく寅子を抱き寄せた航一は寅子を見下ろし、寅子は航一を見上げている。航一は膝を曲げて、体をかがめて、寅子に顔を近づけるが、互いに同じ方向に顔を傾けてしまう。タイミングがやっと合い、唇を重ねた2人の顔が離れ、目が合うと思わず「フフフ」と笑いが込み上げてきてしまう。濡れてよく滑る廊下を、2人が手を組み寄り添って歩いていく姿も、これからを想像させるいい終わり方だった。

 寅子は幸せな暮らしの一方で、裁判官として大きな案件を担当することとなる。現在、書店には『虎に翼』の関連書籍が多く並んでいるが、中でも目を引くのが「原爆裁判」という文字であり、寅子の実際のモデルとなっている三淵嘉子を語る上で避けては通れないエピソードだ。次回予告に、「原爆を投下した行為は国際法に違反するとして」「日本政府に賠償を求める訴えを起こしている」というセリフがあることからも分かるように、『虎に翼』はいよいよ原爆裁判へと突入する。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、森田望智、高橋努、平埜生成、三山凌輝、名村辰、松川尚瑠輝、美山加恋、中村無何有、矢島健一、沢村一樹、滝藤賢一、松山ケンイチ
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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