『新宿野戦病院』感動的な場面から“笑い”の方向へ 仲野太賀の出遅れ感が物語のフックに
一方で、ヨウコと腹違いの姉妹であることを知って以降苛立ちを隠さずにいるはずき（平岩紙）が彼女を屋上に誘って一緒に酒を飲んだり、リツコ（余貴美子）の提案によってはずきの母に会いに行き、そこで院長を共通のターゲットにすることで和解の兆しがみられたりと、病院内の人間関係自体は良き方向へと進みつつある。とはいえよくよく考えてみたら、今回のエピソードの冒頭にあったヨウコの無免許問題に関しては棚上げ状態。第1話でヨウコが語っていた、歌舞伎町に来た理由の“ムハマド探し”も含め、この辺りは終盤へと持ち越されていくのだろうか。
それにしても、SM女王の座を突如引退した舞が、勇太とのデート（と表現してもいいだろう）の最中に告白する自身の生い立ち。ひとつ秘密がなくなったところで、またひとつ新たな秘密が生まれ、享はまたしても出遅れる格好になる。ここでインサートされる2003年の「歌舞伎町浄化作戦」のキーワードと、当時の実際のニュース映像。改めてこれが“歌舞伎町のドラマ”としてあること、そして“街”というものは現在という一点だけで存在するものではないということを証明してくれている。
■放送情報
『新宿野戦病院』
フジテレビ系にて、毎週水曜 22:00～22:54放送
出演：小池栄子、仲野太賀、橋本愛、平岩紙、岡部たかし、馬場徹（ドランクドラゴン）、塚地武雅、中井千聖、濱田岳、石川萌香、萩原護、余貴美子、高畑淳子、生瀬勝久、柄本明ほか
脚本：宮藤官九郎
プロデュース：野田悠介
演出：河毛俊作、澤田鎌作、清矢明子
制作：フジテレビ ドラマ・映画制作部
制作著作：フジテレビジョン
©︎フジテレビ
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