『虎に翼』“優三”仲野太賀と“航一”岡田将生を比較 寅子にぴったりなパートナーは?

 一見すると正反対のタイプに見える2人だが、共通点もある。それは「人に対する客観性」だ。優三の優しさの根源には相手を理解しようとする姿勢があり、航一の鋭い洞察力もまた、人を客観的に見る目から生まれているのだろう。

 第37話で弁護士になった寅子が依頼人に騙された際には、「すべてが正しい人間はいないから」「みんな良い面と悪い面をもっていると思うんだ。だから法律がある」と言葉を残した優三。書生だった優三は、猪爪家でもバランサーの役割を果たしていた。

 一方の航一は、書記官の高瀬(望月歩)について「思い出にできるほど、お兄さんの死を受け入れられていなかったんでしょうね」と他人が気づかないことを察知していた。そもそも彼が度々口にしてきた「なるほど」という口癖は、他者の発言を観察した結果の言葉だ。狭いコミュニティならではの、言葉以上の意味を持つ“差し入れ”へのはっきりとした対処も心得ている。

 寅子が彼を「航一さん」と親しげに呼ぶだけで、ざわっと飛び交う視線。狭い地方社会の恐ろしさを、東京から来たばかりの寅子はまだ知らない。しかし、周囲の人間をしっかりと見ている航一は、それをよく理解しているようだ。

 航一との間の恋愛フラグはまだ少ない節もあるが、猪突猛進するタイプの寅子には、やはりこういった性格のパートナーがぴったりのように思えてくる。寅子の「はて?」と、航一の「なるほど」は案外いいバランスで互いを補えるのではないだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、岡田将生、森田望智、田口浩正、遠山俊也、望月歩、堺小春、三山凌輝、竹澤咲子、和田庵、高橋克実
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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