『マウンテンドクター』MMTが波乱の船出 “歩”杉野遥亮はチームをどうまとめるか

 『マウンテンドクター』(カンテレ・フジテレビ系)第2話が「海の日」の7月15日に放送された。第1話は序章に当たる内容だったので、実質的に第2話が物語の本格的なスタートとなった。

 国際山岳医の資格を取得して帰国した歩(杉野遥亮)は、新設の山岳医療チームMMTに配属された。山での傷病者を救おうと意気込む歩だったが、メンバーとの温度差を感じてしまう。チーフで救命救急医の小宮山(八嶋智人)は山での診療に乗り気でなく、内科医の掛川(近藤公園)も「しょせんMMTは院長の政治」と割り切っていた。歩の幼なじみで麻酔科医の典子(岡崎紗絵)も登山は「めんどくさい」とこぼすなど先が思いやられた。

 もう一つ、歩が気になったのは江森(大森南朋)がいないこと。山岳医のベテランで経験豊富な江森について、院長の松澤(檀れい)は「メンバーにふさわしくないから外れてもらった」と説明。勤務時間外に山で遭難事故に出くわした江森は、患者を死なせたことで遺族から訴えられていた。

 「危険な山に登るのは自己責任。遭難者が命を落とすたびに騒がれたら、山岳医療なんて務まるか」と江森は言い放つ。これに対して、歩は「1人でも救える命があるならできる限りのことをしたい」と思うところを明かす。厳しい態度を崩さない江森と歩のスタンスの違いは今作の基本的な対立軸を形成している。

 MMTの初陣はヘリで運ばれた遭難者の治療だった。担当する業務には山小屋に併設された診療所での駐在も含まれていた。国際山岳医の歩を別にすれば、他のメンバーは山に登ることを億劫がる。そんな中で、歩は典子をともなって鮎川山荘の診療所へ向かった。

 第2話には限られた放送時間に山の恐ろしさが詰まっていた。いつ、どこで事故や遭難が起きてもおかしくないのが山だ。景色に目を奪われて滑落することはままある。装備不足が引き起こす事故、悪天候による行動不能と夜間出動のリスク。一見すると軽傷に見えても命にかかわる重症になりうることや夏場の低体温症の危険が、映像の力を借りることで説得的に表現されていた。

 前話に続いて画面いっぱいに北アルプスの風景が映されたことに加えて、ロープを使った懸垂下降など山でのアクションは杉野遥亮自ら実演。現地ロケだからこそ可能なシーンは、新たに山に興味を抱くきっかけになるかもしれない。

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