『虎に翼』GHQが推し進める“五大改革”とは? 「女性の解放」が寅子の人生に与えた影響

『虎に翼』GHQが指令した“五大改革”とは?

 GHQは「女性の解放」を五大改革の一つにした理由として、女性が「国家の構成員」として「新たな概念を日本にもたらすだろう」と考えたことを挙げている。新しい日本の政策決定に家庭の知恵を直接反映させる、社会の安定的要素になるとして、GHQは日本女性に期待を寄せたのだろう(※)。そうした背景から、GHQは日本女性に参政権を認める政策を実施し、制度として「女性の解放」を進めていった。

 『虎に翼』において、この考えに賛同していると思われる久藤は、寅子を司法省に採用し、彼女の意見をどんどん取り入れて、民法改正を進めたいと考えたはずだが、寅子は一度弁護士を辞めたことと、家族を支えるためにはもう失敗はできないと思っていることから、どうしても“スンッ”となってしまっていた。

 久藤に謙虚だと言われて、落ち込む日々が続いていた寅子だが、立花たちとの出会いや、大学の学友である花岡(岩田剛典)との再会を通して、少しずつ自分らしさを取り戻したようだ。寅子が、立花たちのように堂々と女性としての自分の意見を口にし、久藤や桂場(松山ケンイチ)らを唸らせる姿を早く観たい。

参照

※ https://www.jawe2011.jp/publish/welearn/data/0603_640.pdf

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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