岩田剛典、戸塚純貴、高橋努 『虎に翼』で“喜劇俳優”が演じる男たちのカッコよさ

 まず戸塚純貴が、『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』で演じた野球部キャプテン。このシリーズは原作・魔夜峰央のBL観を忠実に再現しているため、美しい男性キャラが多く登場する。主人公のGACKT、二階堂ふみ(男性役)、杏(男性役)ら……。だが戸塚純貴だけは、「美しくなりそこねたクリーチャー」のようである。それは、女装した轟を想像してもらえればわかると思う。独特のハイトーンボイスからの(あえての)棒読み演技は、破壊力に満ちている。彼との絡みが多い二階堂ふみは、笑ってしまって芝居にならなかったそうだ。

『翔んで埼玉』続編にはコメディ離れした感動がある 滋賀県で育ったライターが熱弁

ただいま公開中の作品『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』を観て、泣いてしまった。「この作品、もしかして今年ナンバー1かも………

 ただ、そもそも戸塚純貴は、どんなに真面目な役を演じていても独特の“おもしろオーラ”がにじみ出てしまう。それは、轟を見ていてもよくわかる。

 筆者は、戸塚純貴から目が離せない。

 続いて、高橋努が『クローズZERO』で演じた、牧瀬隆史。この作品は、三池崇史監督、小栗旬主演の不良映画の傑作である。勢力を拡大したい滝谷源治(小栗旬)は、牧瀬を味方に引き入れようとする。だが牧瀬は、人の下につく気はない。そこで源治は、牧瀬のために合コンを企画する。ウルトラ硬派で異常に女性慣れしていない牧瀬は、興奮のあまり……。

 大変申し訳ないが、筆者の筆力ではこの後の展開を上品に描写することは不可能なので、割愛する。気になる方は実際に観てほしい。そのシーンはおそらく、異性と一緒に観ると気まずくなることこの上ない。だが、酒でも飲みながら1人で観るぶんには、涙を流して笑えると思う。

 ある意味、高橋努の役者魂にも感動するはずだ。

 最後は、『ウェディング・ハイ』における岩田剛典だ。彼の役は、「元カノを取り戻すために結婚式に乱入しようと企むが、前日のカキに当たってうんこを漏らす役」だ。「EXILEがうんこを漏らす」というシナリオを書いたバカリズムも素晴らしいし、その役を快諾した(かは知らないが)岩田剛典も尊敬に値する。

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 「顔だけはいいバカ」という、花岡とは正反対のキャラである。岩田剛典ファンにこそ、ぜひ観てほしい作品だ。

 これらの作品を観た上で改めて『虎に翼』を観るのも、また趣が変わっていいものだ。彼らの俳優としての振り幅の大きさに、感動してもらいたい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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