間宮祥太朗はまるで『ハムナプトラ』リック・オコーネル? 『アクマゲーム』でのヒーロー像

 今回の『ACMA:GAME アクマゲーム』は、その間宮の能力が遺憾無く引き出された作品となっている。例えばゲームを仕切るゲームマスターのガド(CV:諏訪部順一)などは特撮モノにあるスーツアクターではなくVFXのキャラで、生身の役者たちは同じ空間で演技をしなくてはいけない。その難しいところは、生身とVFXキャラとの画的な違和感よりも、声優の演技のテンション感と生身の役者たちとの温度差が出てきてしまいがちなことだ。それを、間宮の存在感は不思議と受け止めきれている。これは温度差を埋めるのに決してオーバーな演技をすればいいという問題ではなく、むしろそれをするとチープさが出てしまう。間宮はいつも通りのクールな演技で対応し、トンデモな世界観に全く引けをとらないところが、俳優としての特筆すべき才能であることを改めて感じさせる。

 とはいえ今作の照朝役は、原作では高校3年生という設定だが、間宮にあわせて27歳に変更している。原作では、照朝が高校生ながらも父親の清司が亡くなったあと破綻した会社を3年で再建し、日本有数の財閥の会長だった、という設定。ドラマ版は清司の部下・宮ノ内(阪田マサノブ)に「社員を救うため」と騙され、会社を譲渡し親の跡を継げなかったひ弱(優しい)な少年が、身を隠す為に海外へ放浪の旅に出て、たくましく成長した27歳として帰国する、という設定となっている。

 もちろん原作ファンから賛否両論はあるものの、設定を変更したことで、照朝が海外でいろんな修羅場を潜ってきた旅人特有の成長と達観した人物キャラとなり、間宮の落ち着き、そしてクールな存在感が際立ち、相手を騙す様々な心理ゲームの強プレイヤー感を醸し出すことに成功している。オープニングはアジアロケから始まり、照朝の衣装が茶色のレザージャケットというのも、どこか映画『インディ・ジョーンズ』や『ハムナプトラ』シリーズのような原作にはないトレジャーハンター的な要素が色濃くなり、このワクワクさせるアドベンチャー感が間宮に似合いすぎている。

 間宮の存在感がいかに特殊で、この作品にハマっているのか、改めて間宮祥太朗という俳優の面白さを確かめられる『ACMA:GAME アクマゲーム』。前クールの櫻井翔主演『新空港占拠』のようなノリで観ると楽しい作品であり、今後の展開によっては『インディ・ジョーンズ』や『ハムナプトラ』シリーズのリック・オコーネルのような新たな世界的ヒーローが誕生するかもしれない。それほどスケールさを感じさせる間宮の妙技を味わっていただきたい。

■放送情報
日曜ドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:間宮祥太朗、田中樹、古川琴音、竜星涼、嵐莉菜、増田昇太(s**t kingz)、福山翔大、坂口涼太郎、桐山漣、橋本じゅん、小澤征悦、吉川晃司ほか
原作:『ACMA:GAME』原作:メーブ、作画:恵広史(講談社『週刊少年マガジン』)
脚本:いずみ吉紘、谷口純一郎
演出:佐藤東弥、狩山俊輔、松田健斗ほか
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:藤村直人、岩崎広樹、後藤庸介、大庭佑理(AX-ON)、本多繁勝(AX-ON)
音楽:菅野祐悟
VFX:デジタル・フロンティア
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/acmagame/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/ntv_acmagame
公式Instagram:https://www.instagram.com/ntv_acmagame

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