津田健次郎、なぜ50代で大ブレイク? 俳優志望の過去と、アニメの“落とし所”を担う演技

「いつかは(徹子の部屋に)出させていただけたらなと思っていました」

 そう語るのは、アニメ界のスター、“ツダケン”こと津田健次郎だ。声優であり、俳優としても活躍する津田は、4月16日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に初出演を果たした。

 「徹子さんとお話しできるのが一人前の証だと思っていたので」と、柔らかな声で言葉を紡ぐ津田の姿からは、その人柄の良さがひしひしと伝わってくる。黒柳徹子に「もうちょっと大きいお声でいいですか?(笑)」とツッコミを入れられて、やや照れながら焦る姿もチャーミングだ。「ViVi国宝級イケメンランキング 2023年下半期」で、「イケボ部門」で1位を獲得したという津田だが、その結果には大きく頷ける。

 もともとアニメ界ではその存在感を発揮していた津田だが、2020年度前期のNHK連続テレビ小説『エール』で語りを務めて以降、活躍の場を一気に広げた。しかし、今や声優としてだけでなく、俳優としてもお茶の間に名を馳せるようになった津田が『徹子の部屋』で明かしたのは、意外な過去だった。

 52歳にして写真集を発売するなど、50代で遅咲きの人気を博した津田。実は中学生の頃から映画に魅了され、映画監督を目指して明治大学の演劇学科に進学したのだという。在学中、役者の勉強になるかもしれないと舞台の養成所を受け、そのまま役者の道へと進んでいった。

 しかし、役者の道は甘くなかった。そして24歳の時、アフレコ経験ゼロの状態で声優のオーディションを受け、見事合格を果たす。この出来事が、津田健次郎の人生の転機となったのだ。

 下積み時代は、舞台のオーディションと公演に明け暮れた。安定したバイトもできず、電気ガス水道を止められたこともあったという。中でも印刷工場の仕事は過酷を極めたそうだ。だが、そうした苦労を乗り越えた津田は、今や名作アニメに欠かせない存在となった。

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「働く」という行為は、よく考えれば不思議なものだ。何のために、誰のために働くのか。忙しい毎日の中では、「働くことの意味」すらもつ…

 津田の魅力は、何と言ってもその優しさを帯びたダンディな声だ。低音ボイスを活かしたボスキャラや渋いイケメンキャラを演じることが多く、作品に欠かせない“落とし所”を見事に担っている。番組内では黒柳に『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の説明をしていたが、最近の出演作品を見ても、その存在感は歴然としている。

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