『おいハンサム!!』Season2も“変わらない”安心感 愛すべき伊藤家と再会できる喜び
しかしながら、ここに具体的な例を挙げるまでもなく、評価されたから・流行ったからという理由付きで続編が制作された作品には、どうしたって不安はつきものである。最初が受け入れられたのをいいことに、妙にスケールアップして初期のトーンやカラーを薄めてしまったり、安直で凡庸な二番煎じを繰り返してしまったり。ところが『おいハンサム!!2』に関しては、その心配は一切無用である。ひと足先に第1話を鑑賞させてもらったが、期待通り、良い意味で誰も、何も変わっておらず、このドラマの“お約束”といえるマインドをきちんと継承しながら登場人物たちに2年の時間経過を与えている。ほとんど“2年ぶりに放送された第9話”という感触である。
前作ではやんわりとモテ期だった由香は非モテ期に突入し、離婚して実家に出戻っている次女の里香は良い出会いに恵まれずにやさぐれモード。ユウジ(須藤蓮)との交際を源太郎に認めてもらった美香だったが、売れっ子になったユウジには他の女の影があり疑心暗鬼に陥る。そんな娘たちにやきもきする源太郎と、いつも通り達観した感じで見守る千鶴。そして物語は、源太郎がある朝に首を寝違えて昔使っていたコルセットをつけるところから始まるのだ。
このドラマを存分に楽しみたいのであれば、当たり前ではあるがSeason1を先に観ておくのが理想的だ。観ていない人はいまからでも配信なりで追いかければきっと間に合うはずだ。メインキャラクターを含め、登場人物もほとんどが前作から引き継がれており、由香がたびたび頼りにする占い師(光宗薫)も登場するし、Season1では一切顔が映らなかった“『アフリカの夜』の男”と里香のその後も描かれる。おそらく今後のエピソードでも、再登場キャラが物語に介入してくるのだろうか(願わくば高杉真宙演じる大倉学に再登場してほしいのだが)。
そして、富田靖子が演じる不思議なトーンのご近所さんだったり、逢沢りな演じる鼻血を自在に操れるユウジのおっかけファンだったりとパンチの強い新キャラも続々登場する。まだ告知はされていないので言えないが、第1話からあまりにも意外な人物が現れるので油断は禁物。また、Season1を観ている人は序盤の台所のシーンで伊藤家の目玉焼きのルールを思い出すだろうし、美香とユウジの取っ組み合いや由香の部屋の電気スタンドのポーズにワクワクして、伊藤家に帰ってきた気分になることだろう。この変わらない安心感を保ちながら、Season2と6月に控える映画版まで一気に駆け抜けてくれるに違いない。
■放送情報
『おいハンサム!!2』
東海テレビ・フジテレビ系にて、4月6日(土)スタート 毎週土曜23:40~24:35放送
出演:吉田鋼太郎、木南晴夏、佐久間由衣、武田玲奈、MEGUMI、浜野謙太、太田莉菜、野波麻帆、藤田朋子、ふせえり
企画:市野直親(東海テレビ)
原作:伊藤理佐『おいピータン‼』『おいおいピータン‼』(講談社『Kiss』連載)
Special Thanks:『渡る世間はオヤジばかり』(講談社 KissKC 所載)、『チューネン娘。』(祥伝社 FEEL COMICS)、『あさって朝子さん』(マガジンハウス)、『ミックスリサ』(講談社漫画文庫)、『結婚泥棒』(集英社クイーンズコミックス)
脚本・演出:山口雅俊(ヒント)
音楽:「おいハンサム‼︎」オリジナルサウンドトラック MAYUKO、眞鍋昭大、宗形勇輝(ワンミュージック)
エンディングテーマ: The Ronettes 「BE MY BABY」
エグゼクティブプロデューサー:宮川朋之(日本映画放送)
プロデューサー:山口雅俊(ヒント)、遠山圭介(東海テレビ)、塚田洋子(日本映画放
送)、清水拓哉(日本映画放送)
協力プロデューサー:中頭千廣(東海テレビ)
制作協力:ヒント
制作著作:東海テレビ、日本映画放送
©東海テレビ/日本映画放送
公式サイト:https://www.oihandsome.com/