『GTO』鬼塚英吉の言葉はなぜ人々の心を動かすのか? “伝説のドラマ”をプレイバック

 そのほかにも、生徒間のいじめをやめさせるために、鬼塚は「そんなやり方じゃぬるい!」と言い出す。教師が生徒にいじめ方のアドバイスを送るなんて、本来ならあってはならないが、鬼塚のことだから何か意図があってのこと……と思えるから不思議だ。いじめを受けているのぼる(小栗旬)を屋上から逆さ吊りにしたりと、衝撃すぎる教育法で本当にいじめを止めてしまうのだから、すごい。

 鬼塚が真剣に向き合っているのは、生徒だけではない。恋愛観が曲がっている同僚の冬月(松嶋菜々子)に、「男の気持ち弄んでばかりいるから、男を見る目が腐って、何も見えなくなるんだよ」「愛はな、品定めじゃないんだよ」「俺は、あんたにそうなってほしくないんだよ」と必死で訴える場面もあった。その前に、噴水に突き落とす……という行為が必要だったのかという議論は置いておいて、彼の言葉が人々の心を動かすのは間違いないだろう。

 『GTO』の主題歌「POISON〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」がリリースされた1998年から、四半世紀以上の時が流れた。あの頃よりも、言いたい事も言えなくなってしまった世の中を、鬼塚はどう見ているのだろうか。もう、当時のような型破りな教育は通用しないかもしれない。だとしても……。4月1日に放送される『GTOリバイバル』(カンテレ・フジテレビ系)で、わたしたちが内に秘めている想いを、鬼塚が代弁してくれることを願ってしまう。

■放送情報
カンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ『GTOリバイバル』
カンテレ・フジテレビ系にて、4月1日(月)21:00~放送
出演:反町隆史、岡崎紗絵、小手伸也、八木莉可子、畑芽育、日向亘、鈴木浩介、池内博之、山崎裕太、窪塚洋介、徳山秀典、小栗旬、藤木直人、松嶋菜々子
原作:藤沢とおる『GTO』(講談社『少年マガジンKC』刊)
脚本:山岡潤平
音楽:福廣秀一朗
主題歌:「POISON」BLUE ENCOUNT × Takashi Sorimachi(ソニー・ミュージックレーベルズ)
プロデューサー:安藤和久、河西秀幸、田端綾子
演出:深川栄洋
制作協力:メディアプルポ
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/gto-revival/
公式X(旧Twitter):https://x.com/gtorevival
公式Instagram:https://instagram.com/gtorevival
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@gtorevival

関連記事