『あの夏のルカ』にはスタジオジブリ作品からの影響も? 監督らが明かす映画館で観る理由

 3月29日より劇場公開されるディズニー&ピクサー作品『あの夏のルカ』を手がけたエンリコ・カサローザ監督らのコメントが到着した。

 第88回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した『インサイド・ヘッド』の続編『インサイド・ヘッド2』が8月1日に公開されることを記念して、劇場未公開だった2021年の作品『あの夏のルカ』が初めて劇場公開される。

 本作で描かれるのは、イタリアの美しい港町ポルトロッソを舞台に、“海の世界”に住むシー・モンスターの少年ルカのひと夏の冒険とかけがえのない友情物語。“海の世界”で暮らし身体が乾くと人間の姿になるという秘密を持つ主人公、シー・モンスターの少年ルカは、未知なる世界への好奇心を抑えられず“人間の世界”を知る親友アルベルトと共に海の世界を飛び出し、憧れの人間の街で新たな夢を見つける。

 カサローザ監督は、『崖の上のポニョ』や『千と千尋の神隠し』、アカデミー賞を受賞した『君たちはどう生きるか』などを手がける宮﨑駿をリスペクトしているという。本作で火や水などの自然現象にリアリティを持たせるエフェクトを担当したジョン・ライシュは、「2Dアニメーションにインスピレーションを受けているエンリコ監督がピクサーらしい映像の豊かさも失いたくないと言っていたので、僕らはよく宮﨑駿とスタジオジブリを参考にしていました」と証言。『あの夏のルカ』はピクサー伝統の3Dアニメーションでありながら、これまでのピクサー作品とは少し違った、2Dならではの水や夏の大自然の美しさが映し出されており、リアルなのにファンタジックな“ジブリ感”を味わうことができる作品であるという。

 また、監督の少年時代の思い出を描いた本作には、彼が過ごしたイタリアの美しい街並みや自然がリアルに描かれている。カサローザ監督が「僕らはみんながあの街に実際にいるように感じてほしかったので、リアルで詳細に街の様子を描きました。だから看板や標識にもジェノヴァの言葉を入れているし、できるかぎりフォッカチャ(イタリアのパン)が登場するようにもしました」と語っているように、海で泳いだり飛び込んだり、ジェラートやスパゲッティを食べるシーンなど、本作には監督が幼いころに体験したイタリアの思い出がたくさん詰まっている。

 さらにカサローザ監督は、みんなで一緒に観るからこその“感動体験”が本作にはあるという。『カールじいさんの空飛ぶ家』や『リメンバー・ミー』、『トイ・ストーリー4』など老若男女問わず全員が楽しめる数々の作品に携わってきたカサローザ監督は、「僕らは『あの夏のルカ』を、みんなと一緒に体験するために作ったんです。何度も見てもらえると嬉しいです」と、本作を“劇場で観る理由”について力強く語っている。。

■公開情報
『あの夏のルカ』
3月29日(金)全国公開
監督:エンリコ・カサローザ
製作:アンドレア・ウォーレン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

『インサイド・ヘッド2』
8月1日(木)全国公開
監督:ケルシー・マン
制作:マーク・ニールセン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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