『厨房のありす』の門脇麦がかわいすぎる! 恋愛要素が入り真骨頂を見せた演技力

 さらに、意外と「作戦」を計画、実行するのが好きなところもかわいい。「ありすのお勝手」の常連・明里(金澤美穂)の恋を成就させようと、片思いの相手・圭介(渡辺大知)を「モヤモヤさせよう作戦」を立てる。倖生が好きだと気がついてからは、相手の変化に気づく、相手に喜んでもらうことをする、さり気ないボディタッチのためにナノプシャン体操をするなど「ラブ イズ アクション作戦」を決行していた。しかし「モヤモヤ作戦」は倖生の「そんなうまくいくかな」という心配通り怪しまれるだけだったし、「ラブ イズ アクション作戦」は効果が薄く、和紗からも「全然伝わってないよ」と言われてしまっていた。それでも「作戦」中にウキウキしているありすはとても楽しそうだ。

 こんなにも純真なありす役がぴったりはまっている門脇だが、第6話で彼女の演技の真骨頂がシリアスな場面にこそあることを示してみせた。恋をしたことや自分の本当の母のことを知ったことで、今まで自分が大切な人たちに守られてきたことを知ったありす。でもそれを意識したからこそ、自分のASDの特性が他人に迷惑をかけてしまうかもしれないこともよりはっきりと自覚したのではないだろうか。それでも倖生への思いは溢れてくる。その複雑な胸中を、門脇は涙と溢れ出てくる素直な言葉で表現していた。いつものぽわぽわとしたありすとは違う雰囲気、そして最後の、倖生へ本当に伝えたい一言は、コミュニケーションが苦手でも、涙でぐちゃぐちゃな顔でもしっかり倖生を見て言うところから、ありすの「好き」の気持ちが本物であることが痛いくらい伝わってきた。

『厨房のありす』“好き”を伝え合ったありすと倖生 永瀬廉の“真摯な想い”が涙腺を刺激する

心から好きな人に好きだと伝える時、なぜだか涙が溢れてしまった経験はないだろうか。それはきっと、「相手が自分のことを好きじゃなかっ…

 恋愛は思いが通じ合っても難しいもの。ありすにはこれからも大変なことが待ち受けているかもしれない。それでも大切な人となった倖生を守れるようになることを、諦めないでほしい。

関連記事