芦田愛菜、2024年は“脱子役元年”に 『さよならマエストロ』で見せた芸歴17年目の新境地

 TBS日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』で、父・夏目俊平(西島秀俊)とギクシャクしている、不機嫌な表情が印象的な20歳の娘・響を演じている芦田愛菜。響は晴見市役所の文化振興課で働いているが、芦田が社会人を演じるのは今回が初めてだ。天才子役として3歳から活躍してきた彼女は、今後はこれまでとは違った役柄もどんどん増えるのではないだろうか。

 市役所の文化振興課の仕事で、「あおぞら文化ホール」勤務だった響。ホールの閉館が決まり、これからは何の担当になるのだろうか。俊平に対する確執や、親しくなった大輝(宮沢氷魚)との関係の行方も気になる。

 20歳という年齢的には大人の響だが、まだ思春期真っ只中のような雰囲気を残している彼女を、秀逸な演技で体現している芦田。そんな芦田も、2024年6月で20歳を迎える。

 前述の通り、3歳から芸能活動を始めた芦田は、2010年にドラマ『Mother』(日本テレビ系)に出演して全国的に注目を集めた。当時、5歳だった彼女は、オーディションの参加資格は7歳からだったにもかかわらず、演技の素晴らしさによってキャスティングされ、芦田が役よりも幼いことを補うために、設定と脚本が一部変更された。母親からネグレクトを受けている女児の役だったため、7歳の平均体格よりも小さい芦田が演じても違和感はなく、彼女の幼さがより説得力をもたらし、誰をも引き付ける演技力は話題を呼んだ。

 2011年には、阿部サダヲと鈴木福と共演した『マルモのおきて』(フジテレビ系)で、元気いっぱいの女の子を演じ、そのキュートさはお茶の間に笑顔をもたらした。筆者は、同年公開の映画『うさぎドロップ』に芦田が出演した際に取材し、あまりのかわいらしさに頬が緩みっぱなしになったことを覚えている。

 2013年公開の超大作SF映画『パシフィック・リム』で、菊地凛子が演じる森マコの幼少期を演じた芦田は、10歳になる前にハリウッドに進出。この頃、「もう子役の“愛菜ちゃん”ではなく“芦田さん”と呼ぶべき名俳優」と言われることもあったくらい、すでに大物感を醸し出していた。

 翌年に中学受験を控える2016年、モキュメンタリー番組『山田孝之のカンヌ映画祭』(テレビ東京系)に本人役で出演した芦田は、かなり風変わりな内容の本作で絶妙な面白さを発揮し、SNSなどでは“芦田プロ”と称されて人気を博した。筆者も、この番組に夢中になり、芦田のプロ意識の高さに感嘆した。

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