2014年のウクライナを舞台にした戦争アクション 『ザ・エクスチェンジ』3月29日公開

 2014年に起こったロシアによるウクライナ侵攻を舞台に作られた戦争アクション映画『Obmin(原題)』が、『ザ・エクスチェンジ』の邦題で3月29日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開されることが決定した。

 本作は、2014年からウクライナとロシア間で実際に行われた捕虜交換や、様々な実話から着想を得て制作された戦争アクション。捕虜交換にて帰国し家族と再会を果たした人々など、その他様々な実話を織り交ぜ、人質に取られた息子と、息子を助けるべく奮闘する父親の家族愛が描かれる。

 2014年、ウクライナ。真夜中、キエフの外科医であるオレクサンドルに、息子コスチャの携帯電話から着信が。電話の発信者によると、コスチャは志願兵として軍隊に入隊し、「ゴースト」と名乗る元警官に捕らえられたという。息子を解放するためには、3日後に戦いの最前線に行き、身代金を支払わなければならない。息子を助けたい一心で、オレクサンドルは、精鋭部隊とともに戦場へ向かうことを決意。しかし、そんな彼の前に冷酷なロシアの大佐が立ちはだかり、何もかも予定通りにいかない。1本の電話によってオレクサンドルたちの人生は一変し、それぞれが生死を賭けた選択を迫られることになるーー。

 監督を務めたのはボロディミル・ハルチェンコ・クリコフスキー。『ソルジャーズ ヒーロー・ネバー・ダイ』などで知られるヴィチェスラフ・ドヴジェンコが主演を務めたほか、ウクライナ国軍兵士であり俳優でもあるドミトロ・リナルトビッチ、ヴラディスラフ・マムチュールらがキャストに名を連ねた。

映画『ザ・エクスチェンジ』予告編

 あわせて公開された予告編では、捕虜として人質に取られた息子と、息子を助けるため奮闘する父親の姿が映し出されている。

映画『ザ・エクスチェンジ』主演ヴィチェスラフ・ドヴジェンコのコメント動画
映画『ザ・エクスチェンジ』脚本家兼プロダクションデザイナーであるヴラド・ドゥドコのコメント動画

 また、主演を務めたドヴジェンコと脚本家兼プロダクションデザイナーのヴラド・ドゥドコによるコメント映像も公開。ドヴジェンコは、「私はごく普通のウクライナ男性です。私はごく普通のウクライナ人です。朝起きてコーヒーを飲み、子供と話し、仕事に行き、祝日を祝い、新鮮で自由な空気を吸いたいと思う、普通のウクライナ人なのです」という挨拶から入り、「私のように、非常に多くのウクライナ人が、今、銃を手にして我が国の国土を守っています。もしそのような名誉が私に与えられるのであれば、私は喜んで国土を守るため戦います」とウクライナの現状を語った。

 ドゥドコは、「残念ながら、私たちの映画を直接ご紹介しに行くことはできません。なぜなら、他のウクライナの映画製作者と同様、私は今、武器を手に国を守っているからです」と現状を明かした上で、「この映画について言いたいことは、登場人物のほとんどは、実在の人物、実在の物語をもとに書かれています。ですから、この映画があなたを惹きつけるものになっていると確信しています。そしてあなたの心に響くでしょう」と本作がロシアのウクライナ侵攻に基づいて製作されたことに触れつつ、公開に向けてコメントを寄せた。

 日本版ビジュアルでは、人質に取られた息子と、息子を助けるため奮闘する父親の姿が切り取られており、「2014年、ウクライナ 息子を取り戻すため、 父は戦地に赴く」というキャッチコピーが配置されている。

 なお、映画の撮影は、2021年末のキエフで行われており、2022年にはロシア軍によって多くの撮影場所が破壊された。そして、現在も制作スタッフやキャストを含む、多くの男性たちがウクライナ軍に加わっているという。

■公開情報
『ザ・エクスチェンジ』
3月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:ボロディミル・ハルチェンコ・クリコフスキー
脚本:コスチャンティン・リナルトビッチ、ヴラド・ドゥドコ
出演:ヴィチェスラフ・ドヴジェンコ、エゴール・コズロフ、ドミトロ・リナルトビッチヴラディスラフ・マムチュール
配給:ライツキューブ
2022年/ウクライナ/カラー/シネスコ/5.1ch/90分/原題:Obmin/日本語字幕:若杉晶子/字幕監修:シ カラプタ・アナスタシア
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