『ブギウギ』水上恒司が表現する強い意志 どうか奇跡が起きてほしいと願う幕引き
『ブギウギ』(NHK総合)第84話では、スズ子(趣里)と愛助(水上恒司)が出産予定日まで10日となっても会えないままでいた。愛助に何かあったのではと不安に思うスズ子は「大阪に……行ってきてもよろしいでっしゃろか?」と村西(中川浩三)と東(友近)に聞く。
村西も東もスズ子が大阪に行きたい気持ちに寄り添うが、スズ子はいつ陣痛が始まってもおかしくない状況にある。「もうすぐで帰れると思います」という手紙が来るだけで、愛助は一向に東京に戻ってくる気配がない。痺れを切らしたスズ子は、山下(近藤芳正)を問い詰めた。
病床に伏す愛助は見るからに容体が悪い。けれど、スズ子を強く思うことで懸命に病気に立ち向かおうとしている。トミ(小雪)の秘書・矢崎(三浦誠己)は、スズ子と愛助を慮り、どうにかして2人を会わせようとトミに掛け合うのだが、愛助自身がそれを拒む。
「僕は…必ず病気治して…スズ子さんとこどもに会うんや」#小雪 #水上恒司#ブギウギ pic.twitter.com/o2eWsolovS
— 朝ドラ「ブギウギ」公式 (@asadora_bk_nhk) January 31, 2024
「今の……僕の姿を見たら……スズ子さんは心配しておかしなってまうわ」
「安心して赤ちゃん産んでほしいねん……。せやから……絶対ないしょや」
「必ず病気治して、スズ子さんと子供に会うんや……」
苦しげな息遣いに心苦しくなるが、その言葉一つ一つから愛助の強い意志がひしひしと伝わってくる。
愛助の状況を知らされないスズ子にとっては、どちらにせよ気がかりだ。だが、トミも矢崎も、坂口(黒田有)も山下も、スズ子に何も知らせなかったのは愛助の気持ちに寄り添っていたからこそ。けれど山下がつい口をすべらせ、愛助の現状をスズ子に伝えることになった。スズ子は当然動揺するが、山下と坂口は必死に愛助の思いを代弁する。
「ボンはそんな姿を福来さんに見せたないんです。分かりますやろ? ボン、絶対にようなろうと思って頑張ってますねん! そやから福来さんもここは辛抱して出産のことだけ考えましょう」
「ボンの気持ち、分かったってください」