『新空港占拠』伏線だらけだった第1話を考察 “年齢サバ読み説”から真の目的のヒントも
櫻井翔が主演を務める新土曜ドラマ『新空港占拠』(日本テレビ系)がついに開幕。さまざまな伏線が張り巡らされた目まぐるしい展開と、“獣”の1人の正体が早くも明かされる衝撃のラストなど、情報が濃縮された第1話の注目ポイントをおさらいしておこう。
キーパーソンとなる二葉(奥貫薫)の存在
物語は、前作『大病院占拠』(日本テレビ系)での界星堂病院占拠事件から1年、1月13日に神奈川県初の国際空港「かながわ新空港」の開港式を行う直前に、突如として獣の面をかぶった武装集団が占拠することから始まった。
獣たちの犯行理由は初回では明かされていないが、まず分かったことは、前作『大病院占拠』に深く繋がりのある続編であるということ。主人公の神奈川県警捜査一課の武蔵三郎(櫻井翔)は、最初から獣たちに狙われ、強引に事件に巻き込まれる展開となった。病院占拠事件に影響を受けた模倣犯という線も考えられるが、前作で武蔵をサポートしていた情報分析官の駿河紗季(宮本茉由)が獣の1人「蛇」だったことで、単純な模倣犯ではないことが分かる。
ただ今回は、武蔵の兄と姉が事件に深く関わっている様子。武蔵の姉で神奈川県議会議員の二葉(奥貫薫)に、「お前の兄がなぜ失踪したのか知りたくないか」と電話があり、指示された元町埠頭に行ったところ、武蔵と同じく鶴田輝幸、鹿野芽衣という男女に拉致され人質となった。
兄・健一は、昭和44年10月1日生まれで現在は54歳。横浜市役所土木事務所勤務の職員だった健一は、30年前の12月24日に行方不明となり、警察は事件性はないと判断した過去がある。武蔵と二葉が人質が集まる場に連れてこられ、「ようやく役者が揃った」と龍が挨拶した意味を考えると、武蔵に関しては獣に何らかの恨みを買っているのかもしれない。どちらかと言えば前作同様に真相究明の交渉人として利用する(協力してもらう)ために拉致したと考えられるが、二葉は事件真相のキーパーソンであるのだろう。実は獣側の人物というのも大いに考えられる。
獣が空港を占拠した理由のヒント
二葉と面識がありそうな人物が、人質の中にいる謎の男・壬生正雄(手塚とおる)。二葉が連れて来られた時は、顔を隠していた。壬生は偽装パスポートらしきものと旅券をロッカーから受け取っていたことからも身分を偽り高飛びするようだ。「界星堂病院占拠事件からまもなく1年 保釈中に逃亡 元衆議院議員・北見茂(62)」という空港で流れたニュースを見ると、壬生とどことなく顔が似ていて年齢も同じ。北見は前作の第1話で県知事の長門(筒井真理子)と播磨院長(津田寛治)の会話の中で名前が出てきた人物だ。もし議員同士なら顔見知りでもおかしくないが、壬生が「NEXT GENERATION CLEAN ENERGY 2050年未来を担う新たな希望」というポスターを意味ありげに見つめるシーンが映り、分析官が見た二葉の情報データによると、「主なる議員活動として環境問題が中心である。環境問題・クリーンエネルギー開発に関する条例案を中心に活動している」と明記されていた。このクリーンエネルギー開発が2人の関係を繋ぐもので、今作の最重要案件だと思われる。
また、弁護士・米沢(長田成哉)が建設会社会長・白河(俵木藤汰)に「会長、例の件は滞りなく。今後も悪い芽は私が」と呟き、「ここでそういう話はするな」と咎められていたことから、土木事務所勤務だった健一の失踪に関わりそうだ。そして爆死する前の鶴田と鹿野の映像を見て、米沢が「会長」と声をかけ、白河が「黙ってろ」と言っていたことで犯人と面識あることが決定的に。2人の背景にあるもの(空港建設がらみか?)が、獣が空港を占拠した理由に繋がりそうだ。