物議を醸した司会に歴史的受賞も 第81回ゴールデングローブ賞の問題点とゴシップを解説
ドラマはアワードの外で起きている
ゴールデングローブ賞は歌曲賞のパフォーマンスがあるアカデミー賞と違い、今年のウィル・フェレルとクリステン・ウィグのようにプレゼンターが趣味趣向を凝らさない限り、淡々と受賞結果が発表されていくスタイルだ。しかし、カメラのアウトフォーカスになっている部分で面白いことが起きていたりする。例えば、マーク・ハミルがプレゼンターとして話している後ろで、ジャレッド・レトとホアキン・フェニックス、そしてニコラス・ケイジが同じテーブルに座っているとか。
何を話しているのか気になってしまうのは、カメラマンが引き抜いたスウィフトと親友のセレーナ・ゴメスの“噂話”も同じ。当初、SNS上ではゴメスがティモシー・シャラメと写真を撮ろうとしたのを、現在の彼のガールフレンドであるカイリー・ジェンナーに阻止され、2人の噂話をスウィフトにしていると言われていた。しかし、その後それは全くの嘘で、シャラメはゴメスが彼と写真を撮ろうと言った事実がないこと、2人の関係が良好であることを説明。ゴメスもスウィフトに話した内容が「お互いの知り合いが付き合っている」という趣旨のものだとPeople誌に説明していた。ちなみに、シャラメとジェンナーがカップルとして公共の場に登場したのは、今回が初めて。カメラマンは彼らが熱い視線を交わしながら何度もキスをする瞬間を見逃さずに撮っている。
これらゴシップやコイのジョークなど、今回のゴールデングローブ賞における話題の中心人物は間違いなくスウィフトだったが、最後にレッドカーペット上で起きたブリー・ラーソンとジェニファー・ロペスの素敵な出会いにも触れておきたい。ラーソンはインタビュー中にロペスが近くにやってきたことに気づくと慌てふためく。どうやらロペスの大ファンのようで、「私、J.loは本当にヤバいの」と焦っていた。そして遂にロペスが彼女の隣を通ると、ラーソンは「ハロー」と挨拶する前に、「あなたは私にとって大切な人なんです」と伝えた。そんな彼女にハグをするロペスに「『セレナ』を観て役者になろうと思いました」と泣きながら話すラーソンと、感動してもらい泣きするロペス。本当のドラマがそこにあった。
ゴールデングローブ賞をはじめ、アワード番組は視聴率の低下が物語るように多くの人に飽きられてきている。しかし、このような普段は決して見ることができない、役ではなく限りなく素でいる俳優の姿や彼らの交友関係、そして毎度心に残るスピーチの言葉など、やはり見どころはあるのだ。そしてその見どころやドラマチックな瞬間とは、受賞結果というよりもそこにいる“人”によってもたらされるものであることを、改めて実感させられる第81回ゴールデングローブ賞であった。