『うちの弁護士は手がかかる』蔵前と杏のバディ復活 “内なる声”を引き出す辻井のアシスト

 杏だけでなく、香澄法律事務所の面々の優しさに背中を押されながら、蔵前は再び法廷へ。蔵前たちの作戦は、プライドの高い笠原を挑発し、ボロを出すように仕向け、彼女をハメ返すというもの。「ふざけんな!」と蔵前は怒りに任せて笠原への恨み辛みを吐き出すような演技をしながら、笠原が脱税に関する証言をするように誘導していく。けれど、蔵前としては大部分が本音だったであろうし、そこに笠原への餌を撒かなければならない幾分かの冷静さも持ち合わせていないといけない、ムロツヨシとしても難しい塩梅の芝居だったのは明白だ。印象的なのは、裁判が決着した後に、笠原を見つめる蔵前の寂しそうな眼差し。笠原の芝居に惚れ込み、マネージャーとして支えた30年間を自慢に思っているからこそ、その終わりを覚悟したような視線。蔵前の頬に涙が伝うのを、杏は横目でじっと見つめていた。

 第9話は、とにかくお見合いが多い蔵前と杏。それはまるで『トイ・ストーリー4』で再会を果たしたウッディとボー・ピープのようだ(ボーの声優は戸田恵子ということで)。蔵前の家に初めて上がった際に、自分があげたぬいぐるみを見つけて笑みが込み上げる杏。「戻してください」(蔵前)「戻ってください」(杏)と思いが共鳴した2人は、にやけ顔が抑えきれない。あんなに嫌がっていたはずの蔵前のにやけ顔に対して、「別にどうぞ」と、もはやツンデレのツンの要素がだいぶ薄れてきている。

 それにしても第9話は、蔵前と杏のバディ復活のアシストとして辻井がいい働きをしていた。2人の“内なる声”を引き出す役目として、辻井はバズ・ライトイヤーといったところだろうか。

■放送情報
『うちの弁護士は手がかかる』
フジテレビ系にて、毎週金曜21:00〜21:58放送
出演:ムロツヨシ、平手友梨奈、吉瀬美智子、菅野莉央、日向 亘、安達祐実、村川絵梨、松尾諭、大倉孝二、酒向芳、戸田恵子、江口のりこほか
脚本:服部隆、おかざきさとこ、西垣匡基
演出:瑠東東一郎、相沢秀幸
プロデュース:金城綾香
主題歌:ザ・ローリング・ストーンズ「アングリー」(ユニバーサル ミュージック)
制作:フジテレビ ドラマ・映画制作部
制作著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/uchiben_kin9/
公式X(旧Twitter):@uchiben_kin9_cx
公式Instagram:@uchiben_kin9_cx

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