『セクシー田中さん』毎熊克哉の“ずっと待っていてくれる”安心感 笙野がどんどん魅力的に

『セクシー田中さん』毎熊克哉の笙野は最高

 怖がらないで、閉ざさないで、うつむかないで、自ら歩み寄って相手と一歩距離を縮めてーー。ベリーダンスの発表会の観客の中に会社の同僚の姿を見つけるなりお腹を下してしまい、トイレにこもってステージに立てない田中さんの登場を待つ間、笙野は覚えたてのダラブッカで一定のリズムを繰り返し刻み続け、場を繋ごうとする。気のきいたところのない、一定間隔で刻まれるそのちょっぴり堅苦しく遊びのないリズムは、笙野そのものかのようだ。ぎこちないが“何よりずっと待っていてくれる”安心感があった。そこに三好(安田顕)の演奏が加わり共鳴し合う音色は、田中さんへの応援歌のようにも、ラブコールのようにも聴こえた。ずっとずっと閉ざした心のドアをノックし続けてくれる人がいることはどれだけありがたく、励みになることか。

 朱里の熱烈プレゼンもあって、社内でも田中さんファンが着実に増えている。不器用で誤解されやすいかもしれないが、なんだかんだいつも予想を上回る大胆不敵さと圧倒的素直さを持つ田中さんの魅力が多くの人に見つかりかけているのが嬉しい。

 さて、「手の届かない男はキープしつつその辺に転がってる男を味見してみれば?」とは愛子先生からのアドバイスだが、田中さんは笙野との、朱里は小西(前田公輝)との関係をどう進めるのだろうか。互いに弱さも情けないところも詳らかにさらけ出せているまたとない相手に思える。

■放送情報
日曜ドラマ『セクシー田中さん』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:木南晴夏、生見愛瑠、毎熊克哉、川村壱馬(THE RAMPAGE)、前田公輝、高橋メアリージュン、生駒里奈、なえなの、円井わん、坂ノ上茜、水沢エレナ、星乃夢奈、平野沙羅、西田麻耶、安田顕
原作:芦原妃名子『セクシー田中さん』(小学館『姉系プチコミック』連載中)
脚本:相沢友子
チーフプロデューサー:三上絵里子
プロデューサー:大井章生、田上リサ(AX-ON)
演出:猪股隆一、伊藤彰記(AX-ON)
音楽:日向萌
主題歌:「ドレスコード(Prod. imase)」LE SSERAFIM(ユニバーサルミュージック)
©︎芦原妃名子/小学館/NTV
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