朝ドラ『ブギウギ』趣里のライバル役になぜ菊地凛子を抜擢? 制作統括にその理由を聞く

 また第7週で初登場となったのは、宮本亞門演じる破天荒な天才作詞家・藤村薫。第33回では、作曲家・羽鳥善一(草彅剛)とともにスズ子の部屋に勝手に上がり込み、「センチメンタル・ダイナ」の歌詞をあれやこれやと熟考中。続く第34回では、羽鳥からの「歌ってみて」という無茶振りに文句を言いながら応えるなど、2人の掛け合いも絶妙だ。

 出演のきっかけとなったのは、笠置シヅ子の大ファンだという宮本からの「何か関われたら嬉しい」との逆オファー。福岡は「もちろん、お願いされたからキャスティングしたわけではない」とした上で、「宮本さんは演出家、すなわち芸術家でもありますし、“ものを作る人”のリアルさが出ればいいなと思ってお願いしました」と、今作でドラマ初出演となる宮本を役者として起用した狙いを説明する。

「宮本さんもたくさん勉強をされていて、何度もディスカッションを繰り返しました。実在する歌を作っていく作業なので、失礼になってもいけないし、かといって面白くないものにはしたくない。でも、演出家の自分にはその場面を演出することはできても、俳優ではないから演じるのは難しいと、いろいろと悩まれていました」

 結果として生まれたのが、あの羽鳥にも引けを取らないインパクトのあるキャラクター。「かなり思い切りよく演じていただけて、現場でもすごくノッていらっしゃいました。なにより草彅さんと波長が合うようで、おふたりがすごくいいコンビになって、“ものを作っていく作業”の精神の一端を見せることができたのではないかなと。そこをリアルに描くことができて、よかったなと思っています」

 福岡は宮本と草彅が2人で話をしている姿もよく目にしたといい、「お芝居そのものがセッションというか。いいリズムで楽しんでいらっしゃいました」と現場の様子を明かした。

 さらなる曲者たちの登場で、物語はますますヒートアップ。「羽鳥先生の歌を歌いたい」と自分の本心にたどり着いたスズ子は、りつ子とどのようなライバル関係を築いていくのか。そしてりつ子は、どんなステージで我々を魅了するのか。期待が高まる。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

関連記事