朝ドラ『ブギウギ』明らかになったスズ子と六郎の出生の秘密 中越典子が運命的な役を担う

 『ブギウギ』(NHK総合)第20話では、第1週時点から少しずつ不穏な空気が醸し出されていたスズ子(趣里)と六郎(黒崎煌代)の出生の秘密が明らかになる。

 舞台は梅吉(柳葉敏郎)とツヤ(水川あさみ)の故郷である香川。新たに登場する人物がかなり多いため端的に説明すると、「お世話になっている方がUSKの福来スズ子のファンだから」とわけも分からず法事に参列した地主の治郎丸家が、スズ子の本当の家系。和一(石倉三郎)とミネ(湖条千秋)がスズ子の祖父と祖母にあたり、父はすでに亡くなっている菊三郎。スズ子は父の法事に参列していたということになる。

 ツヤの妹・タカ(西村亜矢子)から説明され、スズ子は和一に言われた「似とる」、幼い頃に耳にしたツヤの「あの子だけは絶対死なせたらあかんのや。顔向けできん」という言葉が脳裏をよぎる。六郎はもしかしたらもらわれてきた子であるとスズ子は勝手に思い込んでいたが、それはまさかの自分。「ワテやったん」とスズ子は思わず口にしてしまう。

 ツヤの実家の大西家と治郎丸家とでスズ子への嘘を突き通すという、言わずもがなの共通認識はすぐに崩れ落ちていく。和一とミネにとってスズ子は孫。そこに亡き菊三郎の面影があれば冷静でいられなくなるのも無理はない。とはいえ、「USA」「はな子」と間違えを連発したり、仕舞いには嘘はつけない性分だと開き直るベロベロに酔った和一にほぼ全ての責任はあり、親戚が一堂に会した食事の場は六郎が庭から連れてきたうさぎやニワトリも相まってパニック状態となる。怒号が飛ぶ宴会場から、真実を伝えられ呆然とするスズ子のラストシーンまで、不穏な雰囲気を醸し出す劇伴と、さっきまでけたたましく鳴いていた蝉の声が徐々に聞こえなくなっていく演出が、見事にスズ子の心情を伝えている。

 つまり、六郎が梅吉とツヤの間の子供となり、過去には「武一みたいなことにならんかな?」という梅吉のセリフがあったが、その出生の真相は第5週「ほんまの家族や」で明らかになるだろう。

関連記事