朝ドラ『ブギウギ』“桃色争議”を通して見えたスズ子の気丈さ 劇団員と本社が全面対決

「わてらみんな梅丸のことが大好きなんです。少しでも大きい劇団にしたろう思うて頑張ってますねん。せやのに、なんで会社がわてらのことバラバラにするようなことしますねん」

 スズ子のストレートな物言いはきっと性格もあると思うのだが、強気で豪快なキャラクターがこの先、折に触れてスズ子の運命を左右し、道を開いていくのだろうと感じる。桃色争議はスズ子の気丈な一面も伝えていた。

 自宅でスズ子は、父の梅吉(柳葉敏郎)から「アカ言うんちゃうんか?」といぶかしがられる。共産主義者として把握されると後々面倒なことになるからで、家族はスズ子が逮捕されないかと心配する。時代背景を考えるとその懸念はもっともで、今以上に緊張感を強いられる状況だったに違いない。

 劇団員と会社の話し合いは並行線をたどり、大和はいよいよストライキしかないと覚悟を決める。しかし、ここに来て橘が反対する。「お客様のことも考えなあかんやろ」というのだ。闘争が進展するにつれて内部の対立も先鋭化するという、幾たびとなく繰り返された教訓を桃色争議も経ることになるのか。いろいろと考えさせられるエピソードである。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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