朝ドラ『ブギウギ』で藤間爽子は誰もが知る存在に 踊りと親友ポジションに膨らむ期待
誰もが藤間の存在を知ることになるであろうもう一つの理由は、彼女自身のルーツにある。これはすでに知られていることかもしれないが、藤間は日本舞踊の流派の一つ、紫派藤間流の家元を務める存在でもある。家元とは、つまりトップのこと。彼女は三代目藤間紫という名を持ち、日本の伝統芸能の一つを継承しているわけだ。タイ子もまた母から日本舞踊を学んだ人物らしい。物語の中でタイ子がどれくらいのレベルにまで達するのかはまだ分からないが、誰がどう見てもこのうえないキャスティングだろう。
スズ子たちがダンスを披露しているように、『ブギウギ』は踊りを堪能できる作品でもある。藤間が本格的に自身のパフォーマンスを披露する機会がやってくれば(いや、必ずやってくるだろう)、すべての視聴者に彼女の存在は刻まれるはず。『ちむどんどん』(NHK総合)では物語の流れを変える重要人物として登場したかと思ったが、出番も役割も限られており、肩透かしを喰ったものだった。しかし今作こそ、俳優にして舞踊家である藤間爽子の実力が存分に活きるに違いない。
藤間爽子、『ちむどんどん』で重要な存在に? 風格と技量で吹かせる新たな風
これからラストスパートに入っていこうかというところの『ちむどんどん』(NHK総合)において、重要なポジションでの登場を果たした藤…
本作の公式ガイド『連続テレビ小説 ブギウギ Part1』(NHK出版)にて藤間は、「『ブギウギ』の台本を読んでいると、いつも胸が熱くなります。自然と涙が出てくることもあるんです。それくらい私の心に刺さる言葉がある作品だと思います。あの激動の時代を生き抜いてきた人たちの強さや底力、がむしゃらに生きる姿がとにかくかっこいい」と作品に対する個人的な印象を述べている。“藤間=タイ子”はどのようなセリフを口にし、どのような生きる姿を見せるのだろうか。長塚圭史が率いる劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」の一員でもある彼女は、俳優としてのキャリアはまだ長いわけではないが、踏んできた場(=舞台)が違う。この『ブギウギ』にて、藤間爽子は誰もが知る存在となる。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK