趣里が『ブギウギ』で見せる感情表現の豊かさ 多角的なアプローチによるスズ子像に期待

 放送中の朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)にて、ついに趣里の出番がやってきた。子役の澤井梨丘からのバトンを受け、ここからヒロイン・花田鈴子/福来スズ子の物語が本格的にスタートする。歌に踊りにと彼女はどんなパフォーマンスを展開し、個性豊かな俳優陣とどのようなドラマを繰り広げていくのだろうか。

 趣里が演じる花田鈴子とは、大阪の下町にある銭湯「はな湯」の看板娘だ。幼い頃から歌って踊るのが大好きで、小学校卒業のタイミングで「花咲歌劇団」の入団試験を受けるが不合格に。落ち込む彼女の姿を見かねた父・梅吉(柳葉敏郎)に連れられていった「梅丸少女歌劇団(USK)」のレビューに魅せられ、鈴子はここに入団。やがて福来スズ子としてスターの道を歩みはじめることとなる。

 鈴子/スズ子のモデルになっているのは、「ブギの女王」として知られる笠置シズ子。昭和の大スターだ。趣里はこの役を2471人の俳優の中からオーディションにて勝ち取ったという。ここまでは少女時代のパートとして子役の澤井が鈴子を演じていたが、第1話の冒頭にはすでにスターとなったスズ子の姿で趣里が登場。力強いセリフ回しで物語の幕を開け、陽気に脚を振り上げては誰もが一度は聞いたことがあるであろう「東京ブギウギ」を披露した。この一連の流れにさっそく涙したものである。

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 本作の公式ガイド『連続テレビ小説 ブギウギ Part1』(NHK出版)にて趣里は「笠置シヅ子さんをモデルとしたスズ子の人生は、本当に波乱万丈。苦しいこともたくさんありますが、それでもスズ子は前に進んでいくポジティブなエネルギーを持っています。演じるうえでは、そのスズ子らしさを大切にしています」と自身が演じる役を俯瞰的に見ていることを述べている。

 そのうえで、「とはいえ役はあまり作り込まずに、自然体で演じたいです。すばらしい脚本が導いてくださるから、それを素直に受け止めるだけ。ドラマは監督やスタッフ、共演者さんと共に作っていくものですから、その場の空気感を大切に、柔軟にと心がけています」と、鈴子/スズ子役を演じるスタンスまで明かしている。

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