朝ドラ『ブギウギ』三者三様の個性が光る子役たち 鈴子をフォローするタイ子の熱い言葉も

 鈴子(澤井梨丘)が梅丸少女歌劇団(USK)に入団してからはやひと月が経った。しかし、その間に同期の半分ほどが辞めてしまう。『ブギウギ』(NHK総合)第7話では出自の異なる鈴子、白川幸子(小南希良梨)、桜庭辰美(木村湖音)が過酷な劇団のレッスンに奮闘する姿が描かれた。

 晴れてUSKに入団し研究生となった鈴子だったが、そこでは男役トップスターの橘アオイ(翼和希)による厳しいレッスンが待ち受けていた。鈴子たちはアオイからダンスの練習だけではなく生活態度や掃除といった日常生活における作法までも仕込まれる。そうした中でも音を上げることなく必死に食らいついていく鈴子の覚悟には感服だ。

 日舞の練習の最中にウトウトしているところをアオイから厳しく注意された辰美。愛想が悪く鈴子たちとも会話をしようとしない辰美に対して、幸子は不満を募らせていた。だが、林部長(橋本じゅん)から辰美の家は貧しく、家業の畳屋を手伝いながらレッスンに通っていた事実を知らされる。「辰美ちゃん……苦労してんねんな」と同情する鈴子に対して、幸子は「苦労してるんわ、あの子だけちゃうわ」と突っぱねる。そう、家がお金持ちでバレエ経験もある幸子もまた父親から入団を反対されていたのだ。

 
 そんな2人と比べて、両親から入団を歓迎され、温かく見守ってくれる鈴子は恵まれているかのように見える。だが、それはこれまでの梅吉(柳葉敏郎)や母のツヤ(水川あさみ)の過去を思い返してみると、必ずしもそうではないことがわかる。零細な銭湯を営む花田家にとって学費を工面するのは一筋縄ではいかない。目には見えないだけで三者三様の苦労があるのだ。

関連記事