ハリウッド映画はシリーズものしかウケない？　大人向け映画に“冬の時代”続く

　そのほか今週は、リアリティ番組『Duck Dynasty（原題）』で知られるフィル・ロバートソンの伝記映画『The Blind（原題）』が第5位に初登場。『死霊館のシスター 呪いの秘密』は公開4週目にして第4位にランクダウンし、意外にも『名探偵ポアロ：ベネチアの亡霊』が第6位に残るなど粘りを見せた。前週2位で初登場した『エクスペンダブルズ ニューブラッド』は第9位まで一気に降下し、前週比-69%という厳しい興行状況となっている。

　なお、公開3週目にして2800館規模の拡大公開となった、豪華キャストの『Dumb Money（原題）』は、結果的にストライキの影響をもろに受けることになってしまった。前週から2221館を追加したものの、週末興収は前週比+44.3%にとどまる350万ドル。2021年の“GameStop株騒動”を描く実話マネー映画とあって、ニューヨークやその近郊での興行が好調だったものの、それだけに大雨による劇場休業のダメージも大きかったようだ。

　出演者はポール・ダノ、セス・ローゲン、ヴィンセント・ドノフリオ、アンソニー・ラモス、セバスチャン・スタン、シェイリーン・ウッドリー、デイン・デハーンら。製作費3000万ドル、批評家や観客の評価は高いという好条件ながら、北米興収730万ドルという現状は極めて渋い。『ザ・クリエイター／創造者』も含め、大人向け映画にどう観客を呼び戻すかがハリウッドの大きな課題だ。

北米映画興行ランキング（9月29日〜10月1日）

1.『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』（初登場）
2300万ドル／3989館／累計2300万ドル／1週／パラマウント

2.『Saw X（原題）』（初登場）
1800万ドル／3262館／累計1800万ドル／1週／ライオンズゲート

3.『ザ・クリエイター／創造者』（初登場）
1400万ドル／3680館／累計1400万ドル／1週／20世紀スタジオ

4.『死霊館のシスター 呪いの秘密』（↓前週1位）
467万ドル（-45.3%）／2871館（-665館）／累計7675万ドル／4週／ワーナー

5.『The Blind（原題）』（初登場）
413万ドル／1715館／累計498万ドル／1週／Fathom Events

6.『名探偵ポアロ：ベネチアの亡霊』（↓前週3位）
380万ドル（-39.7%）／2785館（-520館）／累計3161万ドル／3週／20世紀スタジオ

7.『Dumb Money（原題）』（↑前週8位）
350万ドル（+44.3%）／2837館（+2221館）／累計730万ドル／3週／ソニー

8.『イコライザー THE FINAL』（↓前週4位）
270万ドル（-43.2%）／2184館（-1086館）／累計8592万ドル／5週／ソニー

9.『エクスペンダブルズ ニューブラッド』（↓前週2位）
249万ドル（-69%）／3518館（変動なし）／累計1325万ドル／2週／ライオンズゲート

10.『バービー』（↓前週5位）
143万ドル（-55.3%）／1302館（-1332館）／累計6億3308万ドル／11週／ワーナー

（※Box Office Mojo調べ。データは10月2日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります）

参照

https://www.boxofficemojo.com/weekend/2023W39/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/paw-patrol-mighty-box-office-opening-beats-saw-x-1235605699/
https://variety.com/2023/film/news/box-office-paw-patrol-wins-weekend-dumb-money-flops-1235741654/
https://deadline.com/2023/10/box-office-the-creator-saw-x-paw-patrol-the-might-movie-1235559753/

■ 公開情報
『ザ・クリエイター／創造者』
10月20日（金）全国公開
監督・脚本：ギャレス・エドワーズ
出演：ジョン・デヴィッド・ワシントン、渡辺謙、ジェンマ・チャン、アリソン・ジャネイ、マデリン・ユナ・ヴォイルズ
配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 20th Century Studios