小津安二郎『非常線の女』前田敦子主演でリメイク 共演に高良健吾、片山友希、前田旺志郎ら

 11月12日よりWOWOWにて放送・配信がスタートする『連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~』の第3話が、前田敦子が主演を務め、松本優作が監督を務める『非常線の女』 に決定した。

 日本を代表する映画監督・小津安二郎。「小津調」と称される独特かつ唯一無二の映像世界で数々の作品を生み出し、没後60年となる今もなお国内外問わず高い評価を受け“世界のOZU”と敬愛される存在だ。

 1903年12月12日の生誕から120年を迎えたことを記念して、小津の初期サイレント映画群をドラマリメイクする本作。オムニバスドラマ形式で、現代設定に置き換え、カラーかつトーキー(発声)で蘇る。

 第3話としてドラマリメイクされる作品は、1933年に公開された『非常線の女』。『朗かに歩め』『その夜の妻』に連なる小津監督ギャング3部作の一つで、田中絹代が演じる昼と夜の顔を持つ情婦が、不良なボクサーと暗黒街で生きる姿を描く異色作だ。 

 監督を務めるのは、30歳にして『ぜんぶ、ボクのせい』や『Winny』などの話題作を手がけ、国内外から注目を集める松本。当時29歳の小津が監督した『非常線の女』のリメイクに挑む。また、『死刑にいたる病』や『そこのみにて光輝く』の高田亮が脚本を手がけ、現代版の和製ノワールの世界を描き出す。

 主演を務める前田のほか、高良健吾、片山友希、前田旺志郎、渡辺いっけい、田中俊介、中井友望、白鳥晴都、二ノ宮隆太郎、山本一賢、近藤芳正、吹越満らが共演に名を連ねた。

 時子(前田敦子)は昼に歯科助手の仕事をする一方で、恋人で元ボクサーの拓実(高良健吾)らと美人局など悪事を働く日々を送っていた。ある日、拓実は仲間のユウキの姉・彩(片山友希)に弟を巻き込まないでほしいと頼まれる。その願いを一蹴するが、凛とした彼女の姿を目にして惹かれていく。そんな拓実の異変を知った時子は不安を抱き、彩に接触するが……。

コメント

前田敦子(時子役)

小津監督のサイレント映画のリメイクを作り出すと聞いて心が躍りました。そしてこうして参加できて本当に嬉しいです。時子は愛する人の手を離さないように暗闇の中生き抜こうとしているとても覚悟のいる役でしたが、松本監督が静かにでもしっかり中心に立っていてくれたので現場の熱量がすごくあっという間の7日間でした。声がある作品になった現代版『非常線の女』是非楽しみにしててください。

松本優作(監督)

あの小津安二郎監督作品のリメイク。自分なんかがやっていいのだろうかと悩みました。『非常線の女』は90年前に制作された作品です。そこには今も昔も変わらない普遍的なテーマが描かれています。撮影当時の小津監督は29歳。企画をいただいたとき、僕も同じ29歳でした。何か運命を感じたのと同時に、こんなチャンスは二度とないと思い、僭越ながら挑戦させて頂きました。 素晴らしいキャスト、スタッフと魂を込めて制作した作品です。是非、ご覧いただけると嬉しいです。

■放送・配信情報
小津安二郎生誕120年記念『連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~』
WOWOWにて、11月12日(日)スタート 毎週日曜22:00〜放送・配信(全6話)

・第1話『出来ごころ』
原作:『出来ごころ』(原作:ジェームス・槇、脚色:池田忠雄、監督:小津安二郎)
脚本・監督:城定秀夫
音楽:遠藤浩二
出演:田中圭、渡邊圭祐、白石聖、森優理斗、渡辺真起子、長田成哉、行平あい佳、駒木根隆介、北村優衣、笠兼三、カトウシンスケ、小野了

・第2話『生れてはみたけれど』
原作:『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』(原案:ゼームス槙、脚色:伏見晁、監督:小津安二郎)
脚本・監督:吉田康弘
音楽:遠藤浩二
出演:柄本佑、国仲涼子、染谷将太、小山蒼海、白鳥廉、土村芳、渋川清彦

・第3話『非常線の女』
原作:『非常線の女』(原作:ゼームス槇、脚色:池田忠雄、監督:小津安二郎)
監督:松本優作
脚本:高田亮
音楽:遠藤浩二
出演:前田敦子、高良健吾、片山友希、前田旺志郎、渡辺いっけい、田中俊介、中井友望、白鳥晴都、二ノ宮隆太郎、山本一賢、近藤芳正、吹越満

企画・プロデュース:徳田雄久
プロデューサー:堤口敬太、原克子、勝木孝
製作:WOWOW、松竹
公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/ozu/
小津安二郎公式サイト:https://www.cinemaclassics.jp/ozu/

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