ヴェネチア映画祭国際批評家連盟賞受賞 インドネシアの闇に迫る『沈黙の自叙伝』9月公開

 マクバル・ムバラク監督の長編デビュー作『沈黙の自叙伝』が9月16日よりシアター・イメージフォーラムにて公開されることが決定し、あわせてポスタービジュアルと予告編が公開された。

 第79回ヴェネチア国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した本作は、暴力と欺瞞に満ちたインドネシアの近現代を寓話的に描いたスリラー映画。第23回東京フィルメックスでは『自叙伝』のタイトルでコンペティション部門に出品され、最優秀作品賞に輝いた。

 父は刑務所に、兄は海外に出稼ぎに出ている青年ラキブ。 彼は、インドネシアの田舎町で何世紀にもわたり一族で仕えてきた、退役した将軍プルナが所有する空き屋敷で、たった1人の使用人として働くことになる。プルナはラキブに対して立場を超えたように親身に接し、父親代わりの存在となりつつあった。ラキブ自身もプルナのアシスタントとして、仕事と生活の中で天職を見出す。そして、地元の首長選挙に立候補した将軍の選挙キャンペーンが始まり、2人の運命も大きく動き出す。

映画『沈黙の自叙伝』予告編

 公開された予告編では、田舎町に住む将軍と呼ばれる男と、仕える青年ラキブのふたりの間に流れる時間が映し出される。地元の首長選挙に立候補した将軍の選挙キャンペーンが始まり、 2人の運命も大きく動き出すことなり、裏切りと静寂に満ちた舞台が湿気に満ちた熱帯に立ち現れる様子が確認できる。

 ポスタービジュアルでは、将軍と青年ラキブの姿が、「抑圧と裏切り」「逃走と血」というキャッチコピーとともに描かれている。

■公開情報
『沈黙の自叙伝』
9月16日(土)シアター・イメージフォーラムにて公開
監督:マクバル・ムバラク
出演:ケビン・アルディロワ、アースウェンディ・ベニング・サワラ、スワラ・ユスフ・マハルディカ、ルクマン・サルディ
配給:ムーリンプロダクション 
2022年/インドネシア、ポーランド、ドイツ、シンガポール、フランス、フィリピン、カタール/インドネシア語/カラー/115分/英題 : Autobiography
©2022. Kawan Kawan Media, In Vivo Films, Pōtocol, Staron Film, Cinematografica, NiKo Film
公式サイト: https://jijoden-film.com/ 

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